僕らの世界4 (ページ42)

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気持ちが分かったならページ42

「…ってことで、僕らでどうにか対応してく姿勢で行こうと思う。具体的なことは僕とショージで考えておくから、とりあえず今は普通にしてて」
「今、暇？…あ、そう。ならいいんだ。海斗のことなんだけど…」
「まとまり次第また連絡するから。それじゃ」

海斗から「俺じゃうまく伝えられないだろうから、凉馬、生徒会メンバーに伝えてほしい」と連絡があり、僕ー伊達凉馬ーは生徒会メンバー1人1人に電話をかけて、海斗の決断について伝えた。まず青葉とショージに電話をかけた。ショージは生徒会での対応について決めようと言ってくれて、青葉は海斗に定期的に電話をかけたり家に行ったりして、海斗の様子を見てくれることになった。
いちおう僕を中心に海斗をサポートしていこう、ということになった。それで、僕も不登校について色々調べた。不登校になった理由から、教室に戻れたきっかけまで、調べられることは全て調べたつもりだ。

それでも、分からないことがある。

海斗の気持ち。

海斗は、僕に悩みを打ち明けてくれた。たぶん、打ち明けるか打ち明けないかで相当悩んだと思う。
僕は、こうやって憶測でしか海斗の気持ちを理解できない。たぶん。だと思う。僕が考えたことも、海斗が思っていることとは違うかもしれない。海斗の本当の気持ちは、海斗にしか分からないから。
そういえば海斗は、小さい頃から1人で抱え込むことが多いような気がする。転んでケガをしても誰にも言わず、膝からダラダラと乾きかけた血が垂れているのを見た時はびっくりした。友達とケンカをした時も、先に謝るのはいつも海斗だった。
どんなに苦しくても弱味は見せなかった。それが、裏目に出た。もっと早くに気付いていれば、こんなことにはなっていなかったかもしれない。もし僕が気付けていれば、海斗の気持ちが分かったなら、海斗は必要以上に悩まなくてよかったのに。

ごめん、海斗。

気付けなくて。