僕らの世界4 (ページ4)

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恋がしたい・1 ページ4

「あ、海斗」
自宅の最寄り駅で降りると、雑踏の中で俺ー進藤海斗ーを呼ぶ声が聞こえた。
「あ、真帆」
真帆は俺に追いつくと、ニコッと、それこそ太陽みたいな顔をした。
「今日は一段と楽しそうだな。何かあった？」
「何だと思う？」
何だこの駆け引きみたいなやりとりは。俺たちは恋人か？
「実はね、今日、両親が家にいないの。両親のことは好きだけど、1人になれることって中々ないから楽しみで」
「え？」
…それで、こんなSunShine！みたいな顔してたの？おいおい、幸せだな。
「んで、何かするの？」
「海斗が嫌なら別にいいんだけど、色々話したいことがあって」
「ああ、いいよ。どこで？俺ん家？」
「うん、海斗がいいなら」
「じゃあこのまま一緒に行こうか」
ということで、会場は俺の家に決定した。父さんはしばらく帰って来ないだろうし、心おきなく話せるんじゃないかな。
西半分が赤くなった空を眺めながら、俺の家に向かって歩いた。

「お邪魔しまーす」
「どーぞ」
玄関やリビングの電気をつけて回って、荷物もいつもの場所に置いた。真帆を家に招いて、初めて「最近掃除してないな」と思った。
とりあえず冷蔵庫から麦茶を出して、2人並んでソファに腰掛けた。はあ、とため息をつくと、肩の力が抜けた。
「それで、今日はどういったご用件で？」
「身も蓋もないこと言っていい？」
「？いいけど」
「海斗、最近好きな人できた？」
「…は？」
「私の勝手な推測だけど、好きな人いるよね？」
いきなり何だ、好きな人って。何と返すべきか分かんないし。
「えっと…つまり何が言いたいんだ？」
「結論から言うと、海斗は咲ちゃんのこと好きなの？」
…真帆、何でそんなこと知ってんだ？