僕らの世界4 (ページ21)

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単独行動・1 ページ21

「そうか…ダメだったか」
月曜日の放課後。俺ー進藤海斗ーは、サキからの報告を受けて、肩を落とした。
「…ごめん、本当ごめんね」
「いや、全然大丈夫だから。引き受けてくれただけで、俺は十分だし」
俺以上に落ち込むサキをなだめようと、俺は言った。
「そう？でも、ごめんね」
どこまでも謝罪ラッシュしてくるサキ。癖なのかな。
「いいよ、むしろサンキュー」
俺が軽めに返すと、
「そう言ってくれて嬉しい。ありがとう、海斗」
と立ち直ってくれた。サキのトリセツに新しい情報が追加された。
「どーいたしまして。じゃ、帰ろ」
「うん」
今日は、電車の時間のことは忘れて、2人きりの帰り道を楽しもうと思った。

「じゃあな」
「また明日」
駅でサキと別れ、俺はいつものように改札を通る。…と見せかけて、通らない。サキの姿が見えなくなるのを確認してから、回れ右。また学校へ引き返した。
『今から行きます』
というDMを相手に送って、さっきの道を逆に進んでいった。

「君が進藤くん？ようこそ、高等部へ」
その人は、DMの文章から抱いたイメージと全く同じような人だった。ちょっとチャラくて、砕けた感じだ。見た目こそきちんとしているものの、話し方は完全に砕けている。
「改めまして、『元』生徒会の新海京也(しんかいあつや)です、よろしく」
差し出された手には、無数の傷跡。
この傷跡が何を意味するのか、俺はまだ分かっていなかった。