僕らの世界4 (ページ20)

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決行ページ20

「…」
姉を前にして、私ー神河咲ーは固まった。任せた、なんて言われたけど、いざやろうとすると言葉が出てこない。
まず、何て呼ぼう。姉さん？菜々？お姉ちゃん？
それに、どこから話そう。馬鹿正直に話しちゃダメ。でも、怪しまれないように話さなきゃダメ。どうすればいいんだろう…
「…何？どうかした？」
何から話すか迷っていたら、私が話し始めるより先に、姉に心配された。
「…私って、何で生徒会に推薦されたのかな？」
「え？…私はよく知らないけど、花笑に訊けば分かるんじゃない？」
「うん」
なんとか話を持って行けた。このまま、行けるところまで行ってみよう。
「高等部の生徒会は、何してるの？」
「まぁ、普通だよ。行事の運営とか、学園広報とか。あと学園のブログもやってる」
「ふーん…」
話が続かない。この後、どうしよう。
「…えっと…じゃあ、渚学園は中等部と一緒に何かしてないの？」
「えー、別に変わったことはしてないよ。どうしたの、藪から棒に」
「いや、特に深い意味はないんだけどさ」
上手く取り繕って、その場をしのぐ。
「はぁ」
菜々は、そのままリビングから出ていった。
結局、何も聞き出せなかった。
どうしたらいいの、海斗ーー。