僕らの世界4 (ページ16)

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新学期！・1 ページ16

「おつかれー」
「お疲れ様でーす」
Z021年4月、第一水曜日。始業式や入学式を終え、昼食をとるために生徒会メンバーでファミレスに集まった。
僕ー伊達凉馬ーは、海斗の暴飲暴食を止めながら、注文したパスタが来るのを待っている。
「俺が注文したもんを、全員分としてカウントしてんだろ、あの人は。初めて見る顔してるし」
海斗は、真っ先にピザを6枚注文した。おそらく、海斗の扱いに慣れていない店員さんは、8人で6枚のピザを食べると勘違いしたのだろう。海斗は6枚を余裕で食べるから、初めて見る人はすごく驚く(去年の夏、実際に僕も驚いた)。
「最上級生とか言われても、ピンと来ないなー」
浦部くんがふとそう言うと、みんな一斉に頷いた。
「俺たちの場合、高等部もあるしな。中学3年生イコール最上級生っていうイメージないな」
「最上級生は、高等部の3年生だよね」
「あの、僕、疎外感すごいんですが」
瀬戸くんがメニューから顔を上げて言うと、
「ああ、ごめんごめん」
と3年生全員で謝り倒した。唯一の後輩にはとことん優しく、というか甘やかしまくってる。
「僕も先輩って実感ないです、実際」
「だよね、私も未だに実感ないよ」
青葉が頷いた。僕はすかさず
「おい、会長！」
とツッコんだ。

「さて、本題に入ろう」
海斗が最後のピザを食べ始めた頃、やっとショージが言ってくれて本題に入れた。避難訓練だったら、「君たちが静かになるまでに20分かかりました！」と怒られるやつだ。
「まず俺たちは、文化部の地位向上、文化の城を守る、流浪人会を部活として登録する、この3つを達成するために本格的に動き始めるわけだ」
ショージが言った後、青葉が話を繋ぐ。
「そこで、新企画！生徒会が毎月発行する生徒会新聞に、文化部を紹介する記事を載せたいと思います！」
おぉー、と歓声が上がる。
「そして、記念すべき第1回は、浦部くん！」
「はい、第1回は、我が吹奏楽部！」
「何なのこの連携プレー…」
「…ということで、生徒会新聞に力を入れていこうと思います」
「それと、これ、一番大事。よく聞けよ…」