僕らの世界4 (ページ15)

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使命ページ15

「花笑、今の所大丈夫か」
『うん、問題ないよー』
花笑のいつもの声に、貴大は安堵する。
「弟くんは？」
『相変わらず。私たちのこと詮索してる様子もないし、多分平気だよ』
「だといいけど…あ、純から伝言。新学期の挨拶は、何があっても冷酷キャラを貫け。あと、人前に出る時間を極力少なくしろ。もしアレだったら、代わりに俺が前に出る。あと、中等部の生徒と極力話をしない。生徒会に関しては、絶対に目を合わせないように」
『雄一もダメ？』
「ああ、ダメだ」
貴大は、そのことが花笑にとってどれほど辛いものかを分かっていた。しかし、高等部生徒会のためには、仕方がなかった。花笑だけでなく、貴大自身の中にある辛い思いも押し殺してでも、生徒会を守る。これが、自分たちの使命。
「辛いかもしれないが、もう少しの辛抱だ。辛ければ、何でも俺に言え」
『…ありがとう、新学期も頑張ろうね』
「そうだな。それじゃ」
電話を切ると、貴大の脳裏には久しく見ていない花笑の笑顔がよぎった。

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