僕らの世界4 (ページ2)

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僕らの指標ページ2

「まず、俺たちの最大の目的。それは、全員平等な学校にすることだ」
ショージは、「ドドン！」という効果音が付きそうな迫力で言った。そして、私ー青葉真帆ーは、紙の真ん中に「全員平等な学校」と書いて、マルで囲んだ。…あれ、私、会長なのに書記っぽい仕事してる？という疑問はまあ置いといて、話を聞き逃さないようにしよう。
「で、文化部活性化も平等な学校にするためにやってる、ということだ」
マルから先を引っ張って、「文化部活性化」と書き足す。マッピングという書き方だ。
「それと、流浪人会を正式に部活として登録すること」
流浪人会を部活として登録、と書いたところで、クルリとペンを回転させてみた。何気なくやったつもりだったけど、海斗に「すごっ！」という驚きの目で見られた。
「あと、これも大事。文化の城を守ること」
三浦くんが手を挙げて、
「なぜそのようなことをするのですか？」
と尋ねた。
「いい質問だ。これは、学校が『物を大切に』と言ってるのに、大して古くない文化の城を取り壊そうようとしてるからだ。そんなのおかしいだろ、って意味でやってる」
「なるほど…」
「まあ、詳しいことは俺じゃなくて文化部の真帆とかに聞いたほうが早いかも」
「私？」
急に話を振られて動揺した。
「詳しくは後でいいから」
と、ショージはすかさずフォローに入ってくれた。ナイスカバー！
「本題に戻ろう。それぞれの学校の話はひとまず終わりにして、星が丘と渚学園両校の関係について。星が丘の文化祭に渚学園の文化部も参加して、お互い仲良くしていきましょう、みたいな」
「懐かしいな、文化祭。大変だったよなぁ…」
凉馬は、思い出にふけっている。だから、シャーペンで一突きしてやった。
「あと、高等部の生徒会のつながりを調べたりとか」
「ああ、まさに俺たちだな」
「そうそう、推薦の真相とか」
「あとは、仲良くしましょう！以上！」
ショージが話をまとめると、私も紙に「仲良く！」と書いて二重マルで囲んだ。
「他、何かあるか？」
「ないでーす」
一同、気の抜けた返事。
「じゃあ、今青葉が書いてくれたこの紙は、僕たちの指標として生徒会室に掲示しとこう」
私の手から紙を抜き取って、凉馬が言った。
「ちょっと！」
「さっきの一突きのお返しだよ」
ということで、私が書いた紙が『僕らの指標』となってしまった。まあいいんだけどね。