練り直し ページ10
冷蔵庫からお茶を出してテーブルの上にお菓子と一緒に置いておく。準備を終えて、玄関でスタンバイ。
ピンポーン。
私ー青葉真帆ーは、インターホンの音と同時にドアを開けた。
「お邪魔しまーす」
今日も、全員が示し合わせたみたいに同じ時間に来た。上り線に乗ってくる人も、下り線に乗ってくる人も、バスで来る人もいるし、海斗に関しては歩きなのに、ほとんど全員が同じ時間に来る。生徒会7不思議の1つだ。
「どーぞ」
いつものようにリビングに通すと、早速会議が始まった。全員同時に来てくれると、すぐに本題に入れるからいい。
「星が丘は、即OKだったんだな」
「そう」
今日の議題は、もちろん文化祭のこと。
「問題は渚学園だな。まず、何で断られたのか説明してくれ」
ショージに頼まれ、私はこの前に高等部の生徒会長に指摘されたことを説明する。
「お金がない、時間がない、計画がペラッペラ。以上3つの理由で却下されました、と」
「お金と時間はどうしようもない。俺たちは、計画をどうにかするしかない」
「だね」
凉馬が頷く。今回、私とは別行動で色々やってくれているみたいで、表情に少し疲れが出ているようにも見える。
「ということで、急遽計画を練り直すことにした。とにかく綿密に、細かく、周到に。アイデアがあったらどんどん言ってほしい」
ショージは、薄い計画書をヒラヒラさせながら言った。
「本番の日程より、準備期間の予定をちゃんと考えるべきじゃないかな」
海斗は、早速意見を出した。眠そうな目をしてるけど。
「そうかも。計画性がないっていうのは、多分そういうことだし」
それからというもの、ひたすら細かい計画を練った。カレンダーを見ながら準備期間の予定を決め、本番は10分単位で調整した。忙しすぎて、もう記憶が飛び飛び。時間のことなんか頭から抜けていた。
なんとか完成させると、外はかなり暗くなっていた。気付いた時には2時間が経過していて、みんな慌てて片付けをした。
「また明日」
「お邪魔しました」
慌ただしくみんなを見送ると、もうママがご飯ができたと私を呼んでいた。私は、伸びをして一息ついてからダイニングへ小走りで向かった。
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時