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彩花ちゃんとサキちゃん・2 ページ45

海斗に会いに行った帰り、駅でたまたま彩花ちゃんに遭遇した。
「うぇい、彩花ちゃんじゃん」
俺ー東海林隼ーが名前を呼ぶと、彩花ちゃんは
「なんだ、ショージか。ナンパみたいだったよ」
と笑った。
「今日は何してるの?」
「海斗んち行ってきた。彩花ちゃんは?」
「友達と遊んできた帰りだゼ」
彩花ちゃんは、噂には聞いていたけど、いわゆる「リア充」ってやつだ。友達が多くて、彼氏がいるかは定かではないけど、色んな人と付き合いがあるらしい。休みの日はおそらく予定ギッシリの、充実した毎日を過ごしているに違いない。今、ちょっと確信した。
「所で彩花ちゃん、この後暇?」
「暇だねー」
「久しぶりに、ファミレス行かない?」
「あ、行きたい!」
彩花ちゃんは、2つ返事でOKしてくれた。


「ヤバくない?もうその子の顔見ただけで思い出し笑いしちゃうの!」
彩花ちゃんは、友達との話を飽きることなく喋った。早口で喋って、ケラケラ笑って、1人ですごく賑やかだ。言いかえると、俺が喋る暇を全く与えない。
「話変わるけど、神河咲ちゃんって好きな子いるのかな?咲ちゃんが誰かと恋バナしてるの見かけちゃったんだよね」
俺は、ギクッとした。サキちゃんと恋バナをしていたのは、何を隠そうこの俺だ。やべえやべえ!
「サキちゃんが恋バナかー…誰だろ?海斗がサキちゃんのこと好きかもって真帆から聞いたけど」
俺は、あくまで知らないフリをした。苦し紛れだけど、これが最善の策だと俺の直感が言っている。
「真帆、恋バナするんだ」
「まあ、人並みにしてんじゃないの」
よし、話がそれた。いいぞ、俺の直感!
「咲ちゃんってどんな感じなのー?」
「サキちゃんはねー…まあ、大人しい。普通にいいコだよ。まあ、大人しくていいコなんだけど、なかなかいいキャラしてる。俺は裏生徒会長みたいに思ってるかも。意外と俺よりズケズケ言うし」
「大人しいけどズケズケ言うって、矛盾してね?」
「いや、マジでそうなんだって」
彩花ちゃんは、本当かよ、と言ってまた笑った。
いやいや、本当なんだよ。俺が生徒総会の挨拶の原稿を書いて、サキちゃんに見てもらったら、「具体的に」とか「簡潔に」とか「順序が変」とか、色々指摘があって、原稿は真っ赤だった。
「付き合ってみたら結構面白いと思うよ」
「へー、今度話してみようかな」

セーーーーフ!

とりあえず、海斗とサキちゃんの関係は隠せた。下手すれば、サキちゃんにビンタでもされかねない。危ない、危ない…

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作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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