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生徒会長ですから ページ35

今回も、大丈夫だ。

そう自分に言いきかせ、俺ー東海林隼ーは机と向き合った。配られてきたテストの問題用紙の注意事項をよく読んで、開始の合図を待つ。
今朝からキリキリと痛んでいた胃が、また痛み出す。勝負前からこんなんじゃ…と毎回思う。どうにかならないもんかな…
今日は、運命の期末テストだ。ほとんど学力をアテにして生徒会長になった俺は、このテストを落とすわけにいかない。
2年の秋ぐらいまではずっと学年2位から7位の間をウロウロしていたけど、生徒会長になったあたりから面白いくらいトップに立てるようになった。
理由はこうだ。ずっと1位だった奴が文化部ヘイトをしていて、冬に見つけた裏サイトへの書き込みもしていたらしい。そのせいで失脚し、学年1位も生徒会長も俺のものに。その煽りを受けて一緒にズルズル落ちていった奴もいる。そして俺は掴んだものを絶対に放すまいと猛勉強した。周りが落ちて、俺が上がったから、俺は常に1位をキープできるようになった。


「始め」
監督の先生の合図で、俺は答案に名前を書いた。こういう時、「東海林」という名字の家に生まれて、「隼」と名付けられたことを少し疎ましく思う。兄ちゃんは多分もっと大変なんだろうけど。
この時間は数学。俺が最も得意とする教科だ。他の教科で大ゴケしても、数学だけはトップ3を保ってきた。今回もいける!と気合いを入れて、冷静に問題を解き始めた。ヤマを張っていた所がドンピシャで出たり、サービス問題を発見したりしてちょっとテンションが上がった。今回、いけるじゃん。気付いた時には、胃の痛みもすっかり引いていた。
まあ、これくらいできて当然なんだろう。なぜなら俺は生徒会長、すなわち生徒の模範となるべき存在だから。生徒会長としての威厳とプライドを保つためにも、絶対に1位を取りたい所だ。
この調子でいくぞー、と気合いを入れ直して、答案を穴が開くほど見直した。

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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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