僕らの世界5 (ページ4)

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善は効率よく急げページ4

「去年は、始めたのが2学期で、しかも4人しかいなかった。それで結構最後の方でバタついた」
「だね」
私ー青葉真帆ーは、苦笑いをした。
去年は、本当に大変だった。文化祭の運営、星が丘との外交、さらに文芸部のことやステージの時間調整も、全部一度にやってきた。ギリギリまで調整を続け、本番も滑り込みセーフだった。
「しかし！今年は違う。今はまだ5月で、メンバーも8人いる。今年は早め早めの行動を心がけようと思う」
「善は急げ、ですね」
「その通り、冴えてるな」
瀬戸くんは、褒められて嬉しそうに笑った。
「今からどんどん進めるぞ。手順の説明しておくか。まず、高等部の生徒会と先生にこのことを伝える。拒否されても、何回でもお願いに行く。YESって言ってもらうまで下がらない」
「頑固だな」
「そう。ここで難航してもいいように、3人くらい頑固なのを集めて行く。例えば真帆とか」
「何で私よ！」
突然名前を呼ばれて、ほぼ反射的に抗議した。
「まあ、チーム分けは後で決めよう。次、残った奴で中等部の先生とかに許可取る。こっちは多分すぐ終わるだろうな。あとは、参加する文化部の受け付けとか、ポスター制作の依頼とか、細かいもんが多いかな」
私は、これが8人という人数の強みだと思う。分業できるから、効率よく進むんじゃないかな。いかにも合理主義のショージが考えそうなことだ。
「あと、これ重要。会場の確保。どっちの学校でやるか、中等部か高等部か、全部ノープランだ。これは、高等部に交渉に行くグループにお願いしたい。万が一無理な場合は、残った5人をさらに2グループに分けて、そのうちの片方だな」
ここまできてノープランとは…というツッコミは抑えて、私は頷いた。
「それで、グループ分けだ。とりあえず真帆は交渉組で確定。他にやりたい人ー」
「僕やります」
真っ先に瀬戸くんが手を挙げた。続いて、三浦くんも
「俺、やろうかな」
と立候補した。
「よし、チーム頑固者、交渉頑張れよ」
「「「了解！」」」
なんと、いきなり返事がハモッた。ショージも、これなら大丈夫だな、と頷いた。