僕らの世界5 (ページ3)

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今年の計画は！ページ3

「ちょっと狭いかもだけど入って、どーぞ」
青葉はそう言って僕ー伊達凉馬ーたちを迎えてくれたけど、全然狭くない。ショージたちはもう来ていて、そこに僕らが入っても広々としている。海斗を除く7人が余裕で全員ソファに座れる。青葉家の財力、恐るべし。
「これ、この前もらった資料。あとはお任せするよ」
「了解、サンキュー」
ショージは青葉から分厚い紙の束を受け取ると、話を始めた。
「えー、とりあえず、俺たちの次なる計画について話そうと思う。
去年、俺たち…その時は生徒会としてじゃなくてBLUE LEMONとしてだったけど、文化祭を2校合同で開催した。そして今年は！」

「タメなくていいから、さっさと発表してくれ」

突然ドアが開く音がしたかと思うと、何度も聞いた声がツッコミを入れた。
「海斗？！」
正真正銘、進藤海斗だった。今日はなぜかジャージを着ている。
「主役は遅れて登場ってか？」
ショージは野次を飛ばす。青葉が
「よく場所分かったね」
と言うと、海斗は
「俺、いくらなんでもそこまでの方向音痴ではないから」
と返した。僕の隣に座ると、「なんか久しぶり」とくすぐったそうな笑みを浮かべた。
「よし、今度こそ言うぞ。今年のメインの計画は、高等部も巻き込んでの文化祭だ」
「おぉー…」
でも、よく考えれば、それは普通のことだ。僕らが特殊なんだ。普通、高等部メインの文化祭で、中等部はそのオマケか付け合わせだ。星が丘は中等部メインの文化祭で、高等部が参加するのは3年に1回。渚学園は、中等部も高等部も文化祭はない。
「これは、本気で実現したいと思ってる。だから、今から用意を始めるんだ」
「ショージ、その心は？」
と僕が訊くと、
「兄貴が、高等部最後の年だから」
とのことだった。完全に私情じゃん…

「やろう」

そう声を上げたのは、意外にも普段無口な神河さんだった。
「やるか」
「うん、やろう」
「僕も賛成です」
神河さんの鶴のひと声で、全員が賛成した。
「ありがとう、それじゃあ説明してこう」
ショージは、資料をパラパラとめくって確認してから、説明を始める。