彩花 ページ19
私ー青葉真帆ーは、携帯を片手に部屋の中をグルグル回って考えごとをしていた。
電話?メール?それとも、連絡しない?
試しにメールの画面を開いてみる。前に連絡を交わしたのは、バレンタインの時。「友チョコちょーだい」と送られてきたので、私は頑張って生チョコを作った。
それから4ヶ月も経っていた。何だか送りにくい…
でも、電話も何だかなぁ。リアルな声というのが今はかえって嫌かも。だからと言って連絡しないのは論外。ちゃんと連絡しないと、何も始まらない。
結果、私はメールで連絡することに決めた。かれこれ30分悩んだ末にメールが最善と判断した。
「新海彩花」という文字を見ると、ちょっとドキドキした。これから私は、ショージの言う「危険な任務」の前哨となるミッションに取りかかる。緊張しないはずがない。
とりあえず、『ちょっと聞きたいことがあるんだけど』と送ってみた。返事はすぐに来た。『どしたの?』という変わったキャラクターのスタンプだった。
さあ、どうする。どうやって本題に入るか。ここでまた悩んだ。ウジウジしていたら、『真帆?起きてる?』と(『早くしろ』という意味を込めた)送られてきた。もういいや、と思って、単刀直入に質問した。
『彩花ってお兄ちゃんいたっけ?』
なぜ突然こんな質問をするかというと、この間星が丘の高等部生徒会に来た人の名前が「新海京也」だったから。ショージに「もしかしたら新海さんの家族とかだったりするのかな?真帆、仲良いし聞いてきてよ」と言われ、今に至る。
『いるよ』
そう返ってきた瞬間、やっぱり、と思った。『名前は?』とさらに切り込むと、『京也(あつや)』と答えた。ドンピシャ!
『京也が、どうかした?』今度は彩花の方から聞いてきた。駆け引きみたいになってきた。『別にどうって訳じゃないんだけど、星が丘の高等部の生徒会の人から話聞いたから』とちょっとごまかそうとしたけど、『話って何?』とズバリ聞かれた。こうなると、彩花は止まらない。私は降参して『6月10日、生徒会の人と乱闘になるかもしれない、らしい。又聞きの情報だから100%信用はできないけど』と送った。
返事はしばらく来なかった。彩花、今何をしてるのかな。
さあ勉強しようと思ったところで、タイミングよく返事が来た。
『ごめん、生徒会とモメたりして荒れちゃった。もうどうしようもない。ごめん』
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時