検索窓
今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:2,116 hit

彩花 ページ19

私ー青葉真帆ーは、携帯を片手に部屋の中をグルグル回って考えごとをしていた。
電話?メール?それとも、連絡しない?
試しにメールの画面を開いてみる。前に連絡を交わしたのは、バレンタインの時。「友チョコちょーだい」と送られてきたので、私は頑張って生チョコを作った。
それから4ヶ月も経っていた。何だか送りにくい…
でも、電話も何だかなぁ。リアルな声というのが今はかえって嫌かも。だからと言って連絡しないのは論外。ちゃんと連絡しないと、何も始まらない。

結果、私はメールで連絡することに決めた。かれこれ30分悩んだ末にメールが最善と判断した。
「新海彩花」という文字を見ると、ちょっとドキドキした。これから私は、ショージの言う「危険な任務」の前哨となるミッションに取りかかる。緊張しないはずがない。
とりあえず、『ちょっと聞きたいことがあるんだけど』と送ってみた。返事はすぐに来た。『どしたの?』という変わったキャラクターのスタンプだった。
さあ、どうする。どうやって本題に入るか。ここでまた悩んだ。ウジウジしていたら、『真帆?起きてる?』と(『早くしろ』という意味を込めた)送られてきた。もういいや、と思って、単刀直入に質問した。
『彩花ってお兄ちゃんいたっけ?』
なぜ突然こんな質問をするかというと、この間星が丘の高等部生徒会に来た人の名前が「新海京也」だったから。ショージに「もしかしたら新海さんの家族とかだったりするのかな?真帆、仲良いし聞いてきてよ」と言われ、今に至る。
『いるよ』
そう返ってきた瞬間、やっぱり、と思った。『名前は?』とさらに切り込むと、『京也(あつや)』と答えた。ドンピシャ!
『京也が、どうかした?』今度は彩花の方から聞いてきた。駆け引きみたいになってきた。『別にどうって訳じゃないんだけど、星が丘の高等部の生徒会の人から話聞いたから』とちょっとごまかそうとしたけど、『話って何?』とズバリ聞かれた。こうなると、彩花は止まらない。私は降参して『6月10日、生徒会の人と乱闘になるかもしれない、らしい。又聞きの情報だから100%信用はできないけど』と送った。
返事はしばらく来なかった。彩花、今何をしてるのかな。
さあ勉強しようと思ったところで、タイミングよく返事が来た。
『ごめん、生徒会とモメたりして荒れちゃった。もうどうしようもない。ごめん』

手がかり→←心配



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。