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相談 ページ14

6月になった。もうすぐ梅雨入りなんて言われているけど、今日はスカッと晴れた。日が長くなってきたから、5時を過ぎてもまだ外は明るい。俺ー進藤海斗ーは、ちょっと混んでいる雑踏の駅前で先輩を待った。
「進藤くん」
突然、後ろから肩をつかまれた。振り返るとそこには青葉先輩がいた。今日はスポーツメーカーのロゴが入ったシャツとハーフパンツという格好。生徒総会の前に切ったという髪は、ようやく馴染んできて爽やかな印象だ。
「どうだった?」
どちらからともなく走り始めると、いきなりそんなことを訊かれた。質問の内容は、もちろんサキのこと。
「いや…」
俺は首を横に振った。それだけで顔が熱くなる。
「ああ、そうだったんだ。やけに顔が赤いな。耳まで赤いぞ」
青葉先輩は、にやにやしながら俺の耳を触ってきた。確かに、先輩の手の方が冷たいような。…って、何してるんだ俺は。少しスピードを上げて、先輩の手から逃れた。
「俺はそのペースでもいいけど、最後バテないでよ」
そう言われて、俺はまた先輩の隣に並んだ。
「ダメだったか…言えなかった?」
「言うことは言えたんです。でも、やっぱりまだ早かったかなって…多分ですけど、loveじゃなくてlikeの方で受け取っちゃったみたいで」
一昨日のサキとの会話を思い出すと、なぜかレモンみたいな味がした。
「そりゃ、ちょっと早かったな」
青葉先輩は苦笑いを浮かべた。
「まあ、でも見込みナシではないと思うから。もっと仲良くなってからもう一回トライしてもいいんじゃないかな」
「だと、いいですね」
「頑張れよ」
青葉先輩は、前を向いたまま言った。それからこっちを向いて、夕日に負けないような笑顔を見せた。

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作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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