僕らの世界5 (ページ11)

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再戦ページ11

「失礼します、渚学園中等部の瀬戸航平です」
「渚学園中等部の青葉真帆です」
「星が丘学園中等部の三浦雄一です」
「おう、また来たか」
ほら、やっぱり。俺ー青葉恭輔ーは、純に向かってドヤ顔をしてみせた。だから、また来るって言ったじゃん。
「まー入って」
とりあえず3人を純の正面にある椅子に座らせて、俺は任務完了。真帆がいるから、何かとやりにくい。下手に動けば間違いなくバトル勃発だ。そそくさと菜々ちゃんの隣へ退避した。
「今日はどうした」
純は、無愛想な顔で質問した。
「先日の文化祭の件です。計画をイチから作り直したので、改めて参加をお願いしに来ました」
真帆、やたら堂々と喋るんだよな、仏頂面の純相手に。なかなかやるよな…
「これ、計画書です」
三浦くんがカバンから計画書を出す。前の計画書よりもずっと分厚くなっている。純は、そんな計画書をものすごいスピードで読んでいく。特技が速読なだけある。
「…3日で、ここまでやったのか」
「はい」
「へぇ…当日の計画と準備の計画と、両方ギッシリになったな…うん、いいと思う」
「本当ですか？」
純は頷いた。仏頂面は氷が溶けたみたいに緩んでいた。
「ただし、お金と時間を無視すれば、だけど。時間はどうしようもないとして、お金は会計のキョーちゃんが何とかしてくれる…よな？」
急に、蛇ににらまれた。圧力がすごくて、俺は首を縦に振らなければ死ぬかもしれないと思った。
「キョーちゃんもああ言ってるな、分かった。参加しよう」
「ありがとうございます！」
「3日間、頑張ったな」
純の口からねぎらいの言葉が。雨が降る、雪が降る！
「お金のことはキョーちゃんがどうにかしてくれるらしいから、安心したまえ」
安心したまえ、じゃないよ。この前予算案を提出したばっかりなのに。冗談じゃない！
「計画書、コピー取っていい？」
「あ、もう一部持ってきました」
「ありがとう、用意がいいな」
何を和やかに話してんだよ、人に仕事を投げておいて…暴君だ！

「それじゃ、何かあったらまた」
3人を送り出すのは、俺の役目になった。男子2人は普通に「さよならー」と言って出ていったけど、真帆には
「恭輔って実は雑用担当なの？」
と訊かれた。生意気！俺はイラッときて、
「違ぇよ、俺は生徒会会計だ！」
と言っておいた。