僕らの世界5 (ページ8)

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判断やいかにページ8

「渚学園高等部にも、文化祭参加をお願いするために来ました」
僕ー瀬戸航平ーは、青葉先輩の後ろで、ただただすごいと思っていた。上級生相手に、堂々と話をしている。生徒会長って、やっぱりカッコいい。僕もこうなりたい、と強く思う。
「…」
一方、高等部の生徒会長は口元に手を当てて考え事をしている。さんざん悩んだ後、隣の副会長に目で何かを言ってから口を開いた。

「今のままでは、無理」

えー…何で？
機械的にそう告げられたけど、どう返していいか分からない。OKをもらえると思っていたから、その分少しショックでもあった。
「理由その1、金がない」
会長は、僕が理由を訊く前にその答えを先取りした。会計もうなずいている。
「その2、時間もない。もっと早く言ってくれればどうにかなったかもしれないけど、今言われてもなぁ…って思うんだ」
善は急げ、なんて言ってたけど、それでも遅いなんて。ちょっとガッカリというか、ビックリというか…
「その3、これが何よりだ。プランがない」
グサッ、と容赦なくトドメを刺された。でも、それはそうだ。高等部の参加にばかり力を入れていたせいで、プランニングの方が追いついていなかった。反省、反省。
「以上3つの理由から、渚学園高等部は参加を承諾できません。お引き取りください」
本当に、会長は容赦なくものを言う。厳しく感じるけど、これが今の現状だと思い知らされる。こんな会長もカッコいいよな…
「分かりました、失礼します」
とりあえず今日はこれにて終了。生徒会室を出よう。と思ったら…
「ちょっと、いい？」
部屋を出た所で、副会長に引き止められた。
「会長はああ言ってるけど、そこまで気にしなくていいよ。石頭だから。プランさえ固まれば考えると思うから、ぜひまた来て」
それだけ言って、くるりと引き返して生徒会室に戻ってしまった。

「帰ろっか」

僕たちは、綿密なプランを立てるべく、中等部へ直行した。