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決戦 第三関門 ページ27

息を潜めて、新海に近付く人物がいた。雄一が張ったバリケードを越え、忍び足で生徒会室へ向かう。姿勢を低くして、隙を見て生徒会室の乱闘の中に入っていく。幸い、新海は気付いていないようだ。
新海の背後に回り、1歩下がる。

「うわっ?!」

その人物ー東海林隼ーは、新海に後ろからタックルした。新海はバランスを崩し、床に倒れ込む。

隼は、いわば隠し武器的に派遣された。高等部の2人が劣勢となった時、奇襲をかけるピンチヒッターである。
隼は、バリケードの外でずっと待機していた。新海と鉢合わせしないよう、生徒会室がある階の上の階へ続く階段の踊り場にスタンバイして、新海を待っていたのだった。
貴大と恭輔が劣勢だと分かったのにも、仕掛けがあった。第一関門である浪越が突破された後、浪越は会議室に預けていたスマホを持ち、生徒会室へ向かっていた。そして、そのまま生徒会室の外の壁に張り付いてに隠れていた。スマホ(中等部では基本的に使用禁止だが、高等部では授業以外では制限がないので合法だ)で隼にメールを送って現地中継をしていた。この簡単な仕掛けが、劣勢になった時にいち早く出動できた理由なのだ。

「何だてめぇは!」
新海は、振り向きざまに隼を殴ろうとする。しかし、それは貴大によって阻止された。振り上げた右腕を、新海の背中に押し付けた。
「生徒会に落選したからって俺らを恨まないで下さい」
恭輔が静かに言う。
「貴大を傷付けた所で、結果は変わらないんで」
その瞬間、隼は全てを悟った。高等部生徒会と新海との因縁やしがらみが、どこから、どのように始まったのか、全てを知ってしまった。

星が丘学園高等部生徒会長→←決戦 第二関門



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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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