. ページ2
リ「ほんまにええ…？」
『はいっ…。』
また、リリーさんはニヤリと笑った。
リ「目、瞑っといて。」
言われるがまま、私はそっと目を瞑る。
唇に何かが当たる感触がした。
軽く目を開けてみると、私とリリーさんの唇が重なっていた。
『…っ！』
びっくりして、言葉も出なかった。
リ「今日はこの辺で。じゃ、気をつけて帰れよ。」
リリーさんは帰る支度をして会議室を出ていった。
取り残されたのは、私1人だけだった。
その日から、大嫌いなリリーさんのことを意識し始めるようになった。
大好きなお笑いを見ている時だって、
友達と遊びに行った時だって、
漫画を読んでいる時だって…。
ずっとリリーさんが頭から離れなかった。
やっと気づいた。リリーさんが好きなこと。
『今日も会議か…。』
私はそっとため息をつく。
またあんなことをされたら…。
思い出すと、今でも顔が熱くなる。
私はそっと家を出た。
今日は、盛山さんも最初から居た。
ほっとするような、モヤモヤするような…複雑な気分だった。
そのまま会議も始まって、何事もなく終わった。
盛「おつかれーー。」
盛山さんが1番に出ていってしまった。
リリーさんが私の方に歩いてくる。
リ「今までどれくらい俺のこと考えてた？」
『え…っ…と。』
リ「正直に言うてな。」
ずっと。ずっとずっと考えてた。
『何をしてても、リリーさんが頭から離れませんでした。』
リ「ふーん。じゃあ、俺のことどう思う？」
好き。大好き。
『…。』
でも、そんなこと言えるはずもなく。
沈黙がしばらく続いた。
言わないと。分かってるのに。
『だ…いす…き…。』
言ってしまった。
リ「よーくできました。」
リリーさんが私の頭を優しく撫でる。
リ「かあい…。彼女にしたい。」
『…。』
リ「あ…でもそんなことしたらモリシが怒る。」
『─い。』
リ「ん？」
『そんなこと関係ない。好きなんだし…付き合っちゃお。』
リ「嘘やん。そんなこと言い出すなんて。」
その時、ドアが開いた。
盛「忘れ物、忘れ物っ…って、ごめん。すぐ帰るから。」
雰囲気を察したのか…さすが。
なんでこのタイミングで来るねん！！
…end
あ っ た か い ご 飯 / 祇 園 、 木 崎 太 郎→←大 嫌 い な は ず な の に … / 見 取 り 図 、 リ リ ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：# a o b a | 作成日時：2020年9月22日 23時
