1 ページ1
土曜の朝
カーテンの隙間から差し込む朝日が容赦なく部屋中を照らす中、お構いなしと爆睡をかます少女が一人
________________________
A____く__きて___
私を…呼んでる…？
この声は…………
「A！早く起きて！」
「な、なに！？お母さん！？」
母でした。
私を優しく包み込んでいた毛布は母の声と共に剥ぎ取られ、同時に冷たい空気が体を纏う。
「…………お母さん、今日学校じゃないよ…」
時計に目を向けると、短針はまだ7と8の間。土曜日だと言うのに…なぜこんな早くに起こされたのだ…
「それは分かってる。ちょっと頼みたいことがあるの。」
……私はとにかく朝が弱い。特に休日は昼まで寝ていたい派だ。
早起きなんてした日は一日中眠気に襲われ最悪な気分で過ごすことになる。
つまり睡眠命で生きているので、この睡眠妨害で大きなダメージを受けた。
「…こんな朝から何を頼まれるの？私は………」
寝たい、と口走りそうだったが、ひとまず母の要求を聞こう。
母の頼みとやらを終わらせれば、また夢の世界に戻れるのだから。
「ボーダーの基地にに行ってきてもらいたいの。」
「うんわかった、ボーダーに………………えっ？」
ボーダーに行く……？私が……？
「お兄ちゃんが忘れ物したみたいでね、今忙しくて取りに帰れないらしいから届けに行ってあげて。」
「…お母さんが頼まれたんじゃないの？」
「私は予定があってね。Aはどうせ暇でしょ？代わりに行ってきて。」
はぁ…確かに暇ではあるけどよりによって………
「…分かった」
忘れ物を届けるくらいなら、大丈夫だよね。
「ふふ、じゃあお願いねー！」
語尾に音符でも付いているのかと思うくらいルンルンで部屋を去っていく母。
「……仕方ない。」
引き受けたからには行かなくては。
私は重い腰を上げ、寝巻きのボタンに手をかけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 655人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星屑(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです大好きです！！更新楽しみにしてます！！ (3月18日 3時) (
レス) @page22 id: e29b44e719 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしお - 好きです(遺言) (6月7日 16時) (レス) @page12 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - めっちゃ面白い…………最高です。ドストライク。応援してます (2021年12月8日 19時) (レス) id: c204bce294 (このIDを非表示/違反報告)
nekonatsu6(プロフ) - これで終わり何ですか？めっちゃ気になる終わり方してますね笑 出来たら続き読みたいです！応援してます。これからも頑張って下さい。 (2021年8月25日 18時) (レス) id: d11df75cc6 (このIDを非表示/違反報告)
雪見ヒカリ(プロフ) - とても面白い作品を見つけてしまった……！これからも更新楽しみにしてます♪ (2021年3月16日 18時) (レス) id: f9b36c2a1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本郷 | 作成日時：2019年3月15日 5時
