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第32話『申請』 ページ32

澪は火印の部屋の中へあげられた。

傷がついて、古い家具が多かったがしっかり片付けられていて、見かけによらずしっかりした人なんだと思った。

「座れ」

「は、はい」

すぐそこにちょこんと置かれていた座布団の上に正座して、奥の部屋に消えた火印を待った。

なにかを漁る音が奥の部屋から聞こえてくるので、それを聞いたり、部屋のあちこちを目だけで物色したりして、退屈や落ち着きのなさをまぎらわせた。

しばらくして音がしなくなったかと思うと、火印が扉を開けて澪と同じ部屋に入ってきた。
手にはコップ一杯の水が握られている。

「悪いな。コップ探すのに手間取った」

「い、いえ。そんなに待ってないですから」

「そうか。どっから話せばいい?」

聞きたいことはたくさんある。なぜ、あのクライムが怖くないのか。もしかしたら死ぬかもしれないのに。

「怖く……ないんですか?」

「何が」

そういわれて初めて気がついた。自分が本当に恐れているのは、クライムではないのかもしれない。本当に怖いのは、その先の――。

「すみません」

「あ?」

その時火印は、貫くような目で澪を見た。さっきもこうだった。彼が扉を閉めようとしたのを止めたときも、こんな目で見られた。

「お前、生きたいんだろ?」

「は、はい」

心からの返事だった。自分は生きたい。最後の最後が来るその瞬間まで。
生きて、生きて、最後に笑えるように。

「私に、教えてください。戦い方を」

第33話『実力論』→←第31話『覚悟』



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美坂るぅ(プロフ) - 更新日数的に、皆さんのキャラクターがお亡くなりになられていると思われます。 (2017年6月29日 20時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - これ以上リーダーにため口を使うキャラが増えると小説が成立しなくなりそうなのでやめてくだされば幸いです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - スカビオサさん» 消してあったんですけどね…不具合で戻ってしまったようで… (2017年3月29日 10時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - スカビオサさん» 終わってますよ (2017年3月29日 9時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
スカビオサ(プロフ) - 美坂るぅさん» 更新終わりましたか?? (2017年3月29日 9時) (レス) id: b80a207be1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒幕 x他6人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )  
作成日時:2017年3月23日 10時

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