エデンの園と原罪の双樹～第一章『生命の果実』～ (ページ25)

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第25話『放電』ページ25

――蛇に導かれ、柚鈴、卯月、澪の三人は、クライムと闘う雪城達のもとにやって来た。

万理華はクライムが出たと耳にしたとたんに駆け出していってしまったので少し心配したが、そんな必要はなかった。

彼女は三人より早く現場に着き、雪城、誠夜を含む現場のアダムに混ざってクライムを攻撃している。

ふと横を見ると柚鈴が「また遅れた」というような顔をしていた。

だが彼女は、遅れを取り戻すように雪城達のもとへかけていく。その背中を見て、自分になにかできないかと考えるものの、結局見ていることが最善だということで立ち止まる。

卯月と澪は二人、被害を受けないようにたまたま近くに会った大きな岩の影に隠れた。時々ひょこっと頭を出しては、戦闘がどうなったか。正確にはクライムがこちらに気づいていないかを見る。

アダムがあれだけいて、これだけの時間がかかるのは敵の能力のせいなのか。それとも単純な強さなのか。見ているだけでは分からない。

突如、もたれている岩から背中に衝撃が伝わってきた。
なにかが岩にぶつかったのか。澪は岩の影から頭を出して確認する。見ると、飛んできたのはクライムだった。

「まずい」と思ったときには遅く、胸ぐらを掴まれた後、凄い力で投げられた。

草村を転がりあちこちに切り傷ができる。

「痛っ」

目を開けたとき、また目の前にクライムがいて、手を伸ばしてきた。鋭い目に睨まれ、身動きできない。

「やられる」と、目を強く閉じる。

手が肩に触れた。その刹那。肩に痛みが走ったかと思うと、クライムが何かに攻撃されたような声を挙げた。

「え……？」

恐る恐る目を開けると、クライムが動きを止めていて、あちこちに火傷を負っていた。

何が起こったのだろうか。

「おったで！」

雪城達にそう伝えると、誠夜は澪を逃がした。

さっきのが、能力というのだろうか。

だったらおかしい。澪はまだ実を食べていないのだから。