やんでれーしょん狂想曲【あんスタ】 (ページ28)

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２７.同族嫌悪ページ28

Aside

この学園に転入した時からどうも夏目くんが苦手だった

はっきりした理由はわからない。

けど、恐らくこれは

〝同族嫌悪〟

転入したての時、零さんに言われた

「嬢ちゃんと夏目くんは、似ておるな」

渉先輩にも言われた

「ふむ、貴女は夏目くんと似ていますねぇ…」

宗さんにだって

「君は……何処と無く夏目に似ている」

奏汰先輩からも

「なつめとAは『にて』います」

それからか、私は意識して夏目くんを避けていた

何故だかはわからない。

ただ、本能がそうしろと言っていた気がしたから

彼はそれでも私に話しかけようとしてくれた

なのに、私は……

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

夏目「殺してやるッ！！」

『な、つめくっ！！』

走って来たせいで息が切れる

夏目「……」

夏目くんはこちらを見ると目を見開いた

『やめて！！危ないよ！』

夏目「ッ、来るナ！！」

私が近付こうとすると鋏を振り回す
拒絶された時、心が傷んだ
その傷は今まで私が夏目くんに与えてきたほんの一部

『お願い……危ないから…！！』

彼の後ろには頬に傷を付けた晃牙くんと
服が僅かに破れてる真くん
２人とも必死に抵抗したんだ

夏目「何デ……何デ…！！」

夏目くんの綺麗な目からは涙が溢れてる

『やめて……危ないから、ね…？』

そう言っても夏目くんが鋏を手放す事は無い

夏目「何で今更ッ！！この２人を守る為……？」

『…そう、だよ』

夏目「どうしテ…？
僕はずっと…ずっと君に話かけ続けたのニ！！！」

『夏目、く…』

夏目「何で僕を見てくれないノ！！！」

それは私がこの学園に来てから初めて聞いた
彼の本音だった。

夏目「君は何時も他の人を優先すル！！
僕がどれだけ話かけてモ、努力してモ…！！！」

『……ごめん』

夏目「今更謝るナ……僕がどれだケ…」

〝辛かったと思ってるノ……?〟

『…それ、は』

声が掠れて上手くでない。
呼吸だって浅くなっていく

『……夏目くん鋏を下ろして』

一瞬、何故彼と私が同族なのか分かった気がした
彼は魔法を使える。
私はまるで魔法の様な(・・・・・)モノを使える

夏目「ナ、んデ……」

だって私の言った通り、夏目くんは鋏を下ろしたから
彼の意思ではない。私の意思で