出会い (ページ6)

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入学式が終わって、ガヤガヤと教室に戻る。

あの後俺は、そう言えば山田に何組だかは言われてない！と慌ててクラス発表を見に行って2組だということがわかった。

教室に行ってみれば山田と知念がいて。

知念とも同じクラスだということがわかった。

「おはよ、大貴」

「おはよ知念。同じクラスだな」
　

「うん。またこうやって3人同じクラスになれて嬉しい！」

そうだ。中3の時も同じクラスだった。

いつも3人一緒に行動してたら、いつのまにかクラスのやつらに「ちびーず」なんて呼ばれてたっけ…

「あ、そうだ！後で宏ちゃんと光くんのところに行こうよ。」

「良いね！最近全然会ってなかったからね」

薮くんと光くんもここの高校に通ってると聞いたのは中3になってすぐに教えられた。

『だからお前らも、ここ来いよ！』

なんて光くんに言われたな。

その時はそんな頭はもちろん備えてなかったから、やんわりと断ったけど…

…でも知念と山田は俄然やる気になって勉強してたな。

「あ、知念、目つむって。まつ毛ついてる」

「ん」

「……よっ…はい、とれた。」

「ありがとう涼介」

ニコニコと、前で仲良くやりとりする2人を見る。

…まあお熱いこと。薮くんと光くんのことも気なるけど、この2人の関係性も気になるな。

「(確かに知念は女の子みたいに可愛いけど、でも、この2人だって男同士だし…)」
　

チクッ

また胸が痛んだ気がした。ダメだ、自ら地雷を踏んでしまった…

同性愛に偏見はまったく無い。だけど、自分は良くても相手が傷つくのは絶対に避けたくて。

「(あの先輩はきっと普通に女の子が好きなんだから)」

男の俺から想われるなんて、迷惑に違いない。

「……いき…、大貴！」

「わっ！！ごめん、呼んだ？」

「ずっと呼んでたよ～、ぼーっとしてたけど、大丈夫？」

可愛らしく頬をプクーッと膨らませて怒った表情を作るけど、すぐに心配してくれる知念。

「うん、大丈夫。ありがとう」

優しい友達に囲まれて、幸せだ。

「そう？なら良かった。入学式始まるから体育館行こ？」

「あれ、もうそんな時間？わかった」

　
そうだ。

今はとにかく、目の前のことだけを考えていればいいんだ。

そうすればきっとすぐに、あの先輩のことは忘れられると思うから…