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「じゃ俺帰るから。頑張れ、大ちゃん」



「薮くん、」



呆然とする俺を置いて、さっさと帰ってしまう薮くん。









「………大ちゃん」
 

それを見送った後、代わって伊野尾先輩がベンチに座る。





「…………」




お互い沈黙が続いたが、

先に破ったのは伊野尾先輩だった。




「…ごめん、俺、大ちゃんがあんなに嫌がると思わなくて…」



「…そんな……」


…嫌じゃ、なかった。むしろ嬉しかった。




でも“遊び”だってはっきり言われたことが、俺の中で大きかった。
 


伊野尾先輩は何も悪くない。




「…俺あの時急に用事思い出して!理由も言わず帰っちゃって本当にごめんなさい!」




本当にごめんなさい。






好きになって、ごめんなさい。






伊野尾先輩に顔を見られないように、頭を下げて謝る。



俺きっと今、ひどい顔してる。







「…そうなの?良かった〜大ちゃんに嫌われたのかと思って夜も少ししか眠れなかったぁ」


「ハハッ、少しは寝れたんですね」



「これからは大ちゃんの許可とるから!だから」

 

許してくれる…?





まっすぐに俺の目を見て言う伊野尾先輩。



それがまた見惚れてしまいそうになるくらい綺麗で。









…あーなんかもう、良いかなあ。




この人を、俺の個人的な想いで汚してはいけない気がした。








「…良いよ許すよ。…いのちゃん」


「大ちゃん…!?」
 

「許可は多分しないけどね?」






だから、この想いが自然と消える日を待てば。






「そ、そんなぁ!大ちゃんフィット感あって良いのに…!」
 

「うるさい。ほら、学校戻ろう?いのちゃん」


「だ、大ちゃん〜!!!」





出会った時とはまるで別人の、手のかかる子供のような先輩。


後ろから抱きついてきて 大ちゃん大ちゃん! って話しかけてくるこの先輩。









薮くんありがとね、俺はもう大丈夫。





でもね、この想いには鍵をかけることにしたよ。

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あおむシ - じみおんなさん» わ〜コメントありがとうございます!頑張ります!(^O^) (2015年9月21日 8時) (レス) id: dfeb2ab61d (このIDを非表示/違反報告)
じみおんな(プロフ) - 更新がんばってください!! (2015年9月21日 1時) (レス) id: 07bde049e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおむシ | 作成日時:2015年9月9日 23時

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