Orange Lovers (ページ11)

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髪が崩れることもいとわず、丸子は勢いよく立ち上がり、壁からその様子を覗う。

そこには、昨日章子から聞いていたゆる巻茶髪ロングで、かつ、頭にうさ耳リボンをつけた子が丸山先輩と会話をしていた。

胸のリボンの色が倉子と同じため、一年だということはわかった。

丸子「えっ...じゃ、あの子が錦戸亮子ちゃん...？」

倉子「そうだって、あ～もう、めっちゃ丸山先輩に近づいてんじゃん！」

丸子「うそぉ！？」

...

丸山の元に亮子がにこにこしながら近づいていく。

亮子「丸山先輩っ♪こんにちは～」

「ん？あぁ、亮子ちゃん、こんにちは。」

亮子「おひとりですかぁ？良かったら、亮子とお弁当食べません？」

きゅるん、といった効果音が聞こえてきそうな可愛らしい仕草に、購買周りにいた男子生徒全員が釘付けになる。

「あー...ごめんなぁ、今日村上くんと食べる約束してんねん...」

丸山が亮子からの誘いを断ろうとすると、購買の奥から独特の関西訛りのある大きな声が聞こえてきた。

「おい丸ー！！！いつまで待たせんねん早う飯食わんと昼休み終わってまうでー！！」

「む、村上くん...、い、今行くー！」

じゃ、じゃあ。

亮子に軽く手を振り、丸山は慌てて教室へと駆けていった。

丸山に誘いを断られた亮子だったが、まるで何も無かったかのようにどこかへ行ってしまった。

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