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「あ、すばるくん...」
「ん？なんや丸。」
「いや....なんというか...可愛ええなぁ...って」
「喧嘩売っとんのか」
「いやいやいやいやいや！！！」
むすくれたすばるに、丸山は弁明を試みたが、あまり効果はないようだ...
「あーもうっ！！」
しびれを切らした丸山はすばるを自分の方へ引き寄せ、後ろからぎゅっと抱きしめた。
引き寄せたすばるの耳元で丸山は
「......好きな人が、俺の服着てて、無防備にしとったら.....そら堪らんやろ...」と囁く。
「っ...！」
すばるは耳にかかる丸山の息が堪らず、顔を赤くした。
2人が密着して数分経った頃、丸山はすばるの手がものすごく冷たくなっていることに気がついた。
「うわっ、すばるくんの手ぇ冷たぁ...」
「そら、雨打たれりゃ冷たくもなるやろ。」
「ごめん...あ、でも」
何か思いついたんか...
次の瞬間、すばるの手が温かいもので包まれた。
それは自分のより大きい、丸山の手だった。
「こうすれば、寒くないやろっ」
...温い...丸の手や......
丸のにおい、丸の手...丸の服。ほんま心地ええ。
「うん...ありがとう、まる。」
「ふへへっ」
それから2人はテレビを見ながら風呂が沸くのを待った。
♪─────── オ風呂ガ沸キマシタ
「すばるくん風呂一緒に行こ！」
「アホ言え狭いやろ！！」
「えーーー」
しばらく駄々を捏ねていた丸山だったが、またあのいたずらっぽい笑みを浮かべて
「すばるく〜〜〜ん」と、甘えた声を出しながらすばるにしがみつき、ヒョイと持ち上げた。
「ちょ、ま、まる！！降ろせ！！おーろーせえええ！！！」
「洗いっこしような〜〜」
「丸ー！！！！」
...抵抗虚しく、すばるは丸山の手によって、浴室へと連れ込まれていった...
そして丸山のいう『洗いっこ』とは...ただの『洗いっこ』だったのか、それは丸すばの2人しか知りえぬ事です...。
終
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作者名：百澤那雄鬼 | 作成日時：2019年4月20日 0時
