捌の小話短編まとめ (ページ43)

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「うおっ！」

頭もおでこもぶつけなかったが、唯一、横山のぷるぷるな唇と、村上のふにふにとした唇が、ぴたりとくっついた。

「ん...っ」

横山を推し戻そうにも、今度は村上が下じきになっていたため、動けなかった。

唇が離れた頃には、村上の瞳は潤いを帯び、輝いていた。

横山は、村上の潤んだ瞳に吸い寄せられるかのように、もう一度、今度は、互いの唇を味わうように互いの唇を重ねた。

ふと、我に返ったのか、横山は顔を赤くして、そっぽを向いてしまった。

「なんやねん！やるなら最後までやれや！」

「さ、最後て...！」

ソファの上でぎゃあぎゃあと、三十過ぎの大人2人が騒いでいると、渋谷、安田、大倉が楽屋入りしてきた。

渋「おい、ヨコ、ヒナ、外まで聞こえてんぞ....」

と言いかけたところで、ソファで取っ組み合う横山、村上と、目が合ってしまった。

大倉もそれに気づき、急いで安田の両目を、手でそっと隠した。

渋「あー....楽屋間違えたわ」

そそくさと扉を閉める渋谷。

安「大倉ー、なんも見えんよー」

倉「章ちゃんは見たらあかん。」

ばたん

「「.....。」」

「す、すばるーっ！！！」

楽屋に残された2人は、もみくちゃになりながら、何かを勘違った、渋谷の後を追ったのだった....

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