緑×青 学パロ ページ38
...
「あ、あつぅ...い....」
灼熱がたちこめる放課後の教室で、章大はぐずぐずに溶けていた。
スマホで気温を確認すると、39.8℃という値が表示されていた。
「インフルエンザやん....」
相変わらず訳の分からないことを口にする
すると、がらがらと教室の扉が空いて、すこしだけ涼しい空気が流れて来た。
「章ちゃーん、アイス買うてきたでー」
学友の大倉がビニール袋をひっさげて帰ってきたのだった。
100円もしなさそうな水色のアイスを章大に差し出す。
「んぁ、あんがと大倉...」
腕を伸ばしてアイスをうけとると、溶けだしているアイスを頬張った。
ちらりと大倉の方を見た。
大倉の手には既に平らげたアイスの棒が握られていた。
「食べんの早っ！」
「ひと口でいけるやろこんなもん、溶けるし。」
ぐぬぬ...
真似て急いで食べようとする。
...あったまキーンてきたぁ.....
顔をゆがめる章大を見て、大倉は愉快そうに笑った。
教室の床にぽたぽたと水色の液体がこぼれ落ちる。
それを見た大倉は、章大の手にあったのこりのアイスを無言で奪い取り、しゃくしゃくと食べてしまった。
「ちょ、おれのアイス！」
章大が文句を言おうと口を開いた。
しかしその口はアイスを含んだ大倉の口で塞がれてしまった。
「んぅ.......」章大の口内にチープなソーダ味が溢れる。
飲め込めなかったアイスか唾液かわからないものが、口の端をつたう。
大倉は長く唇を離してくれなかった。
「っ、はぁ....は、ぁ」
やっと離れた唇からは二人の唾液が短く垂れていた。
暑さと恥ずかしさで潤んだ章大の瞳を、大倉の情熱をまとった真っ直ぐな目が覗いている。
また、大倉の整った顔が迫ってくる。
きゅっと唇と目をつむってしまう。
しかし大倉の唇は章大の唇を逸れ、校則の規定より2つ多くボタンを開けたワイシャツからのぞく、章大の首筋に吸い付いた。
キツく吸い上げられると、章大はビクンと反応した。
大倉は、章大のそこに自分のシルシをつける。
それから自分のスクールバッグを枕代わりに章大の頭の下に入れ、ねかせた。
大倉の唇による愛撫に、章大は甘い声を出すしかなかった。
吐息だけが横行する放課後の教室で、二人はひと夏の想い出を堪能した。
.....end
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作者名：百澤那雄鬼 | 作成日時：2019年4月20日 0時
