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橙×赤 タンジョウビ ページ35
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9月22日 PM○○:○○
リビングで歯を磨いていると、携帯が鳴った。開くと丸山からのメールが。
──── すばるくんごめん(TT)今夜帰りの時間遅くなるみたいで、すばるくん家行けなくなっちゃった。ごめんね。
愛してるよ
「・・・。」無言でメールを閉じた。
今日、9月22日は、渋谷の誕生日。
今晩、それを祝いに丸山は渋谷の家を訪れる予定だったのだ。
丸山の来訪がないとわかった渋谷は、風呂に入りさっさと寝ることにした。
シャワーから流れるぬるい水を頭からかぶっていると、昨日丸山と交わした会話を思い出した。
...
「すばるくん明日オフやろ？誕生日のお祝いしよ〜♪」
「ええけど...今からで店取れるん？」
「いや、すばるくん家かおれの家でやろう思てたんやけど...」
「...ええよ、俺ん家で。」
「え！？ほんまに！！？ヤッターーー！！！」
丸山は甲高い声でヒャッハー！と叫びながら変な動きをし始めた。
「うるさいうるさい...」
「じゃ、明日の晩すばるくん家な！おれ、帰る時連絡するから！！」
「わかったわかった...」
渋谷が承諾すると、丸山は「お酒とー、つまみとケーキと...」などと呟きながらどこかへ行ってしまった。
「はぁ...」
残された渋谷はやれやれ、といった顔をしていたが、その口角はわずかに上がっていたのだった。
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作者名：百澤那雄鬼 | 作成日時：2019年4月20日 0時
