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...
「...どないしたん？」
何そんなムスーっとしとるん？
「...ヨコ？」
「...雑誌ばっか見んと、実物居るんやから...こっち構え、あほ」
これまたとんだ甘えん坊やな...
「何して欲しいん？」
「んー」
ヨコは少し考えてから、目を雑誌へと戻した。
「これっぽいことする」「これ？」
俺が頭にハテナを浮かべていると、ヨコの左手が俺の方へ伸び、俺の後頭部をそっと支えたかと思うと、そのまま唇を食まれた。
「んっ、ちょっ...キミ...っ」
ヨコが唇を交えようと一瞬離れた隙に、ヨコの腕から逃げようとした。が、俺の事をじっ、と、愛おしそうに見つめるヨコの黒い瞳からは、どうしても逃れられなかった。
「嫌か？」「嫌や、ない...」「じゃあさせて」
そうしてまたヨコの整った顔が近づいてくる。
ヨコのキスはゆっくりと、下唇、上唇を食み、少し舌を絡まらせる...とても優しいものだった。
...
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作者名：百澤那雄鬼 | 作成日時：2019年4月20日 0時
