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「Aちゃん!おはよう!」
そこにいたのは紛れもなくきみなんだけど、
なんだかいつもと雰囲気が違うから。
『お、おはよう?』
昨日まではストレートで、無造作に下ろされていた髪の毛が今日はゆるーく巻かれている。
好きじゃないのに、余計に興味を持たせるから。
ふわっとしたきみの髪の毛が喋るたびに、動くから。
.............きみが黒ゴムをつけないから。
僕はなんだか不安で仕方なかった。
元から僕のものじゃないのに、他の男にきみの良さを知らせてしまうような気がして、不安だった。
『平野くん、席替えしてぶりやね』
「せやなぁ〜
岸くんケチやから、譲ってくれへんねん」
『でも平野くんの席、見やすいやん?』
「見やすくても、見やすくなくても
僕集中しとらんからなぁ笑」
“そっか”なんていって、友達の席に行ってしまう。
もう腕に黒ゴムつけてへんからええよな、聞いても。
彼氏、のこともその流れで聞けばええ。
そう思ったのに.......
「別れたぁぁぁ!!??」
教室中、いや、この階全てに響きわたるような
きみの友達の声。
みんながきみと友達の方を向くから、僕も見てみるときみは顔を真っ赤にしていた。
“別れた” きっとそれは、4年間付き合っていた彼氏のこと。だと思う。
岸「別れたってよ、紫耀も頑張ればいけんじゃね?」
「べつにそういうことちゃうねん。」
いつものノリで話しかけてくる岸くん。
岸「俺バカだからわかんねぇけど
..........黒ゴムと彼氏、関係してそうじゃね?」
彼氏がつけてたから真似してつけたってこと?
それとも、彼氏がつけろって?
それならアクセサリーにしようや....
「聞いてみるで、今日か明日くらいには」
“ほぇ〜頑張れ〜”とやる気のない応援を岸くんにもらった。
さっきまであんなにやる気だったのに、と岸くんのマイペースさには毎回頭を悩ませとる笑
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作者名:葵 | 作成日時:2018年7月25日 0時