きみが手首に黒ゴムをつける理由 S.Hirano (ページ5)

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( Sho )

席替えの日から、特になにもなくて
結局岸くんはケチさを発揮して、席を譲ってくれなかった。

あ、でもひとつ変わったことがある。

.......... きみが手首に黒ゴムをつけなくなったこと。
毎日、同じ黒ゴムを腕につけていたのに、最近はつけていない。

「なぁ、廉」

廉「なんやねん、今課題やってんねんけど
今日提出やってん。忘れてたんよ」

「そんなん廉が悪いやん!
やりながらでええから、話聞いてや!」

隣の席がきみじゃなくなってから、朝がとてつもなく暇で、時間を持て余してて最近は廉のいる2年棟にわざわざ行ってる。

「あんな、Aちゃんな、最近黒ゴムつけてへんねん」
廉「また、中村先輩のことかよ」

「驚かないの!?
あのAちゃんがお守りなみにつけてた黒ゴムをつけてへんねんよ?

今世紀最大の事件やん!!」

廉「でも部活中はつけてるで?
髪の毛結んどるときもあるけど、ほとんど腕につけっぱやけど」

「これは、まじで今世紀最大の事件や!」

僕は自慢の足でダッシュして、2年棟から自分の教室まで戻った。

「岸くん!!

席借りるわ!!」

僕は岸くんが友達と話してるのを理由にして、岸くんの席に座った。

たまたまきみはまだ来てなくて、

よし、平野スマイルでお迎えしよう!
その流れで黒ゴムについて触れればいいやん!

「岸くん、僕天才すぎるから
今日サイゼ行ってパフェ奢ってや!」

優太「いや!まじふざけてんだろ!?」

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「Aちゃん!おはよう!」