きみが手首に黒ゴムをつける理由 S.Hirano (ページ3)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:22,550 hit

□ 3 ページ3

.

きみの彼氏疑惑から1週間と2日がたったのに
僕は未だにきみにホントのことを聞く事が出来てへん。

「席替えするので、男子からくじを引いてくださーい」

.......平野紫耀、人生終わった説。

僕はいま最高のポジションにおる。
隣はきみで、窓際の一番後ろ席。

こんなんきみが僕の黄昏てる姿に惚れるしかないやん。

「2ヶ月ありがとな!!」

『こちらこそ!!
たくさん話してくれてありがとう』

あれ、黒ゴムは.......??
いつも右腕についてるはずのゴムは、右腕にはなくてその反対の左腕にもついていなかった。

当の本人はいつも通り前の席の女子とワイワイ騒いでいる。

きっと誰もきみの黒ゴムなんて気にしてないんだろうから、今も意識してない。

「廉、どうしよう.......
今世紀最大やで」

僕はひとり、焦ってしかたなかった。

きみの細い腕には、1部分だけ白くなっていて
世にいうメガネ焼けみたいなもんなんやろうか…?

．

「よろしくな、」

隣の席の人は全く面識のない女の子やった。
黒ゴムを観察したいから、きみと隣がよかったな、なんてね。

案の所きみは1番遠い席だった。

「隣岸くんやん、」

岸くんはにこにこしながら、きみと話している。

その岸くんの左腕に..........