馬鹿は風邪引かない ページ10
熱で頭がぼーっとする。
寒い冬の夜に雨に打たれ続ければ、酷い風邪も引くもので。
場地くんは大丈夫かなぁ、と咳き込みながら考える。
ふと携帯を開くと、凛ちゃんからメールが届いていた。
『彩華、風邪大丈夫ー?ノートは取っとくから心配しないでね!……あとさ、場地とペアになってるやつが放心状態なの(笑)山守さんに、よくペアワークできてたね!?と伝えて、って言われた(笑)寂しいから早く良くなって学校来てね!』
「え、場地くん来てんの……?」
馬鹿は風邪引かないって本当なんだなぁ、と少し口角を緩めて、凛ちゃんにメールを返してから布団に潜り込んだ。
結局風邪が治ったのは土曜日で、三日ぶりの学校。
朝、教室に着いた途端凛ちゃんに抱きしめられ、頭をわしゃわしゃされる。
「あー……癒し。おはよ!彩華」
「おはよ、凛ちゃん。ノートありがとね」
メールでも話してはいるけど、やっぱり直接会う方がいいなー、と話題に花を咲かせていたが、チャイムに遮られる。
先生がHRを終えた後、場地くんが前の扉から堂々と入って来た。先生が何か言ってるのも無視して、場地くんは真っ直ぐに私の隣の席に向かう。
「おはよ、場地くん」
初めて私から、場地くんに挨拶をした。すると、場地くんは少し目を見開いてから笑った。
「はよ。風邪治って良かったな」
「今日の放課後から、勉強会再開しよ!ごめんね、休んじゃって」
小声でそう伝えると、場地くんは助かる、と言ってまた笑った。
そこからは怒涛の日々が続いた。
私は家から参考書を持って学校に行き、場地くんはひたすらにそれを解く。
その横で私も勉強をしながら、場地くんに教えていた。
試験本番の日がやって来た。
私の勘が当たった問題もあったし、場地くんに教えたところも出ていた。
その一方、私が苦手な問題…すなわち場地くんが苦手な問題も出ていたし、難しい問題も出された。
テストが終わったあとの場地くんは正しく灰になっていた。
そして、場地くんにとって運命のテスト返却の日がやってくる。
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碧葉(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!!そう言って頂けてとても嬉しいです! (2021年8月13日 6時) (レス) id: 3b7c38c624 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 見てて楽しかったです!更新頑張ってください!場地さんかこかわすぎ…でした… (2021年8月12日 20時) (レス) id: dda0942623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧葉 | 作成日時:2021年8月12日 17時