エピローグ ページ40
｢はーい、みんな席ついて！予定通り、漢字テストやりますよ｣
一人の女性が教壇に立ち、生徒たちはその声に従って渋々と筆記用具を持ちだす。
｢んー、この量なら三分でいけるかな？｣
ちらほらとブーイングの声も聞こえたが、彼女はそれを無視して、ほとんど塗装の禿げたタイマーを三分にセットした。
｢はい、始め｣
その声と同時に、教室にペンが走る音がこだます。
ぴぴぴ、と妙に甲高い音で三分が告げられた。
｢せんせーのタイマー相変わらず変な音するよね｣
｢それな、塗装もハゲハゲだし変えたらー？｣
生徒たちからの声に彼女は苦笑した。
｢…これは大事なものだからね｣
途端、一人の男子生徒が立ち上がって得意げに言った
｢俺見た事ある！それね、ちょーうっすらカップ焼きそばの名前書いてあんの！｣
｢ええ、マジで？先生どんだけ焼きそば好きなんだよー！｣
｢彩華先生、ほかの小物めっちゃ可愛いのに…｣
盛り上がる生徒たちを他所に、彩華は黒板に貼り付けていたタイマーを手に取り、そっと撫でた。
あの頃が、昨日の事のように思い出される。
場地くん、私、先生になったよ。
友達と馬鹿騒ぎする楽しさも、友達のありがたさも、将来の目標も……。
全部、全部、宝物にしてここまで来た。
隣の席に私たちが座ることはもう無いけど、
なんだか君が隣にいるような気がするんだ。
ね、場地くん？
そんな声に呼応するかのように、春の暖かな風が彩華の髪を揺らした。
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碧葉(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2021年8月13日 6時) (
レス) id: 3b7c38c624 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 見てて楽しかったです！更新頑張ってください！場地さんかこかわすぎ…でした… (2021年8月12日 20時) (レス) id: dda0942623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧葉 | 作成日時：2021年8月12日 17時
