おめでとう ページ22
｢彩華さん！お菓子適当に盛り付けといてもらっていいですか？｣
｢はーい、あれ、紙コップどこ？｣
｢やべ、クラッカーどこだ？！｣
｢そろそろ時間やばくない？電話電話！｣
わたわたと松野くんが場地くんに電話をかけている間に、私も大わらわで準備を終わらせる。
場地くんはあと十分ほどで来るそうだ。
ドアの近くで、クラッカーを持って二人で待機する。
場地くんが来るまで、二人で顔を見合わせてはニヤニヤ、と笑みを浮かべた。
ピンポーン、とチャイムが鳴った。
松野くんとアイコンタクトを交わして、二人でドアを開ける。
｢場地くん、お誕生日おめでとう！｣
｢場地さん、誕生日おめでとうございます！｣
その言葉と同時にパァン、とクラッカーを鳴らす。
紙吹雪の向こうから見えた場地くんは、目を見開いていた。
｢お、まえら｣
｢へへ、びっくりしました？｣
｢成功だね、松野くん！｣
｢入ってください！今日は場地さんが主役ですから！｣
弾けるように笑いながら場地くんの手を引く松野くんにつられて、私も、場地くんも、みんな笑っていた。
｢改めて、お誕生日おめでとう｣
｢サンキュ。開けていい？｣
｢うん、どうぞ｣
場地くんがペリペリ、とプレゼントの包装紙を破る。
｢鉛筆に消しゴム……赤ペン？……あ、｣
そう、私からのプレゼントは文房具セット。
そして、
｢……お守り？｣
｢うん。ほら、友達が怪我とかしたら嫌だから。健康祈願ってやつ？｣
｢健康って…ジジイかよ。まあでも、ありがとうな｣
場地くんは少し悪態をつきながらも、歯を見せて笑った。
場地くんと仲良くなって、もうすぐ一年が経つ。
松野くんとも仲良くなって、凛ちゃんとは親友って呼べるくらいにまでなった。
毎日があっという間で、楽しくて……。
でも、楽しい時間は長く続かないと痛感する日は、案外早くやってきた。
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碧葉(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2021年8月13日 6時) (
レス) id: 3b7c38c624 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 見てて楽しかったです！更新頑張ってください！場地さんかこかわすぎ…でした… (2021年8月12日 20時) (レス) id: dda0942623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧葉 | 作成日時：2021年8月12日 17時
