９． ページ11
あおいside
これは無理かも。そう思った。
ズキズキと痛む足。青紫に変色し腫れている。
折れてはないだろうけど・・・・・・・
そう考えてるうちに自然と言葉が出ていた
「私が出れなかったら拓実がセンターしてね」
前回の春の大会では目指していたものには遠い結果だった。
大会が終わった直後から冬にの大会にむけて気持ちを切り替えて必死に練習してきた。
拓実とはレッスン以外でも何回も自主練したり、大会への気持ちを語り合ったりした。
中学最後の大会ということもあり、かける気持ちは今までで一番でかかった。
「拓実なら大丈夫。ぜったいグランプリ取ろうって話したじゃん」
拓実「それはお前も一緒に・・！」
「当たり前やん。やからセンターやって・・・・・っ」
拓実「・・・・っ」
「小3からずっと一緒におって、もう双子みたいにやってきたやん。関西弁も移されまくりやし、やからあおいの分もかましてきてよ」
蓮side
連絡して部屋に入ろうとすると聞こえてきた二人の会話。
入ることはできなかった。
2人はお互いを認め合ってるし、信頼してるし、なによりも良きライバルとしてずっと切磋琢磨してきた。それを見守ってきたし、しょうもない喧嘩したり、どっちかが落ち込んだら支えあってきた二人をずっと見守っていた。
中学最後の今回、二人は今まで以上に切磋琢磨していたし、大きく成長した。ちょっとくらい受験勉強しなって何回言ったかわからないくらいずっと踊っていたし、他の生徒と差別するわけではないが2人がグランプリをとって喜ぶ顔が見たかった。だから今まで以上に厳しくレッスンしてきたし、それにちゃんと喰らいついてきた。関東大会ではぶっちぎりの優勝で全国への切符を手に入れ、後は全国でぶちかますだけだった。優勝候補だと噂されるぐらい、完成度は最高だった。
ここにきてセンターの怪我。誰よりもこの大会に大きな気持ちを持っていたあおいが離脱するかもしれな。
あおいは天真爛漫でおしゃべりな子。この大会期間、何度も俺にこの大会への意気込み、ダンスに対する思いを語ってくれた。振り付けも誰よりも理解しようと何度も質問にきたりしてくれた。
あおいも拓実も最後まで守ってやれなかったことに申し訳なくて、どうしようもない悔しさに襲われる。
夜も遅いし、結局二人の話のキリのいいところで部屋に入った。
「拓実、お母さんが車で来てくれるって。あおいは病院いこう。」
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作者名：ao72lvhsjsznraa | 作成日時：2024年2月25日 22時
