【SS】Drug Over Dose【2BRO.】 (ページ3)

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# 2 兄者［お前は知っている。］ページ3

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「兄者さんっ！今晩お暇だったりしますぅ？」

「暇じゃな…ちょっ、おい！」

明らかに作られた猫なで声で話しかけてくる女。
面倒極まりない為、適当に返して通り過ぎようと思っていたのだが。

勢いよく腕を掴まれたかと思うと、大きくて柔らかい何かフワフワしたものが自身の二の腕に触れた。

……たわわ…。

俺の腕にすり寄り、自信満々に押し付けてくる女。
キツめの香水が鼻にかかる。

でも、悪い気はしない。
これが卑しい男の性ってヤツで。

計算し尽くされたメイクに、ゆるふわに纏められたローポニーテール。
誰だか知らないが、百点満点のキラキラ女子なのは確かだ。

記憶が確かであれば、この前会社のInstagramを覗いた時、いつも真ん中を陣取っていた奴な気がしてきた。

ならより一層、面倒臭そうだ。
眉をひそめ、女が取る次の行動を見守る。

「だってぇ、兄者さんってなんか、美味しいお店いっぱい知ってそうなんだもんっ」

頬を膨らませ、上目遣いで答える女。

こいつ、知ってやがる。
自分が可愛く見える角度とか、
男がグッとくるツボなんてのを理解してるタイプだ。

厄介すぎる。
誰かに擦り付けよう、そう思って一番最初に浮かんだのは、

キレイなお姉さん好きで、趣味の様に女を泣かせる男。

後は頼んだぜ、おついちさん。

「んな事はおついちさんに聞いてくれ、俺は詳しくねーからよ」

「嘘吐き。あたし、知ってるんですからね」

「何を」

「A Aっていう地味な子。
兄者さん、夜な夜な連れ回しては色んな所行ってますよねぇ」

得意げに含み笑いをする女の放ったその言葉に、
目元の筋肉が強ばる。

____何故知っている？
兄弟にすら言っていない、俺達の関係を。

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