【SS】Drug Over Dose【2BRO.】 (ページ2)

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動揺したおついちさんの声が聞こえる。
お構い無しに引っ張って、私も一歩近づき、先程までされていたみたいなバックハグをした。

自分でやったのに恥ずかしくて、背中に額を預ける。

おついちさんの、甘くていい匂い。

さっきまで石のように硬く動かなかった口が、自然と開き始めた。

『私、おついちさんの事…大好き、です』

「……本当？」

『ほんと。…でも、私、恥ずかしくて…。
全然、ハグとか…その、き、キスとかも、まだ慣れてなくて……。ずっと、受け身で…ごめんなさい』

言えた。

なんだかむず痒くて頭の位置を変えてみた。

背中に耳をつけると、心臓の音が聞こえる。

聞こえる。

＿＿＿＿ちょっと早い、おついちさんの鼓動。

緊張で息の仕方を忘れそうになりながら、彼の次の言葉を待つ。

すると突然、おついちさんは肩を震わせ始めた。

「………ふふふっ」

(( ………………笑ってる？ ))

『…何で、笑うんですか…私、必死で……』

「ふふっ。いや、その…嬉しくて」

『…そうですか。良かったですね』

「うん、最高」

彼は抱きしめる腕を掴み、ゆっくり外して私に向き直る。

おついちさんの顔を見ようと思ったけれど、
すぐにまた正面から抱きしめられた為に見逃してしまう。

でも、私は見た。
真っ赤になっている、おついちさんの耳を。

こんなに可愛い大人って居るんだ…。

レアなおついちさんを見れるんだったら、
少々恥ずかしくてもたまには私から何かしようかな。

そう心に決めたのは、秘密という事で。

「さっきさ、慣れなくて…って言ったよね」

『はい』

「数をこなせば、慣れていくんじゃない？」

『……というと？』

身体を離される。
見上げると、企み顔ではにかむ彼の顔。

ちょっと待って、話が違う。
背中に嫌な汗が伝う。

私、さっきのでスタミナ使い果たしたんですけど＿＿＿＿＿＿＿

口に出してないから聞こえない。
そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、おついちさんは続ける。

「じゃあ、おついちさん手広げて待ってるから飛びこんで来てよ」

『はい！…ん？はい……？！』

話は冒頭に戻る。

＊

この後、止まらなくなったおついちさんが、
翌朝怒られたのはまた別の話。

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