こども病院の日常

裂傷 ページ8

「こんにちは^^
あらら、痛そうだね( ˊᵕˋ ;)」

先｢すみません、部活中に怪我をしてしまって…｣

｢まだ血が出てるみたいだね、ちょっと見せてね？｣

琉｢ﾋﾞｸｯ)ったぁ…｣

｢あらら、パックリ切れちゃってるんだね。
これは痛いよね。｣





怪我してすぐガーゼを当てて包帯で巻いてるみたいだけど、外から見てもまだ血が滲んでいて止血できていないようだった。

包帯を外すと、5cmくらいパックリと肘の下辺りが切れてしまっていてまだ血が出てきていた。

琉斗くん、13歳ってことは中学1年生かな。




｢琉斗くん、なんの部活しててどんな風に怪我しちゃったの？｣

琉｢水泳部で走ってたら転んだ。｣

先｢こら、しっかり説明しなさい！
もーすみません;;
水泳部で、泳いだあと濡れた床で滑って転けた時に肘をついてしまい怪我したようで。
走ることは禁止していたのですがつい目を離したときに…｣

｢そうなんですね、ありがとうございます。
傷を見る限り結構深くてパックリ切れてしまっているので縫合が必要になります。｣

琉｢嫌だ。そんなしなくて大丈夫。｣

｢んー嫌だよね、でもまだ血が止まってないから早く縫ってあげないといけない。
もう中学1年生だよね、ちょっと頑張れないかな。｣

琉｢無理、嫌だ。｣

先｢すみません…;;
縫合お願いします。
琉斗、早く縫ってもらって部活戻らないとみんな心配してただろ？
小さい子みたいに嫌々言わない。｣

琉｢先生なんで縫うとかいうの！？｣

先｢お前が先生の言うこと聞かずに走るからだろ！｣

｢まぁまぁ…;;｣





中学生って言ってもまだ13歳なったばっかりだもんね。

縫いましょう。お願いします。とは、なかなかならないよね。

自分は嫌って言ってるのに、お願いしますって言った先生に文句言ったら先生も怒って大きな声で怒るから琉斗くん泣きそうだし…

でもこればっかりは、頑張って縫合しないことには血は出続けるし、なにより本人が痛いと思う。





｢琉斗くん、嫌かもしれないけどこのままじゃ血止まらないよ？
お友達待ってるんだよね、頑張ろうね^^
じゃあ、あそこのベッドに寝転んで横にある台に怪我してる左手出してね？｣

琉｢嫌だってば！もういい！｣

｢あっ、琉斗くん！｣





ベッドに促すと、怒って診察室から走って出ていってしまった。

でも、この病院は子供が院外に逃げ出さないように表玄関には受付からロックがかけられるようになっているため、病院の外には出られないはず。

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