こども病院の日常

虫歯治療 ページ6

｢頑張って治そう。
ほら、あーんして？｣

美｢んー、嫌だぁ…ｸﾞｽｯ…(泣)｣




この子は美奈ちゃん、7歳の女の子。

今まで小さな虫歯治療はしてたんだけど、痛みが出るまで大きくなったのは初めてで。

右下の生えてきたばかりの6番がC2になっていた。

美奈ちゃんの話を聞く限り小学校に上がったからとお母さんは仕上げ磨きはしなくなったそうで。

ご飯を食べる時に痛みを感じて気付いて、お母さんが確認したところ穴が空いていたので受診したそう。

今まで痛みなく治療していたから今日も最初は上手に大きく口を開けてくれてたんだけど…

削り始めてすぐ痛みが出てきたようで俺の手を掴んで危なかったからタービンを口から抜くと口を手で塞いで嫌だと開けてくれなくなってしまった。

アシストについてくれてる衛生士の永井さんも困り顔( ˊᵕˋ ;)





永｢美奈ちゃん、ちょっとだけ頑張ろう、ね？
痛いままじゃ、ご飯もお菓子も食べられないよ。
ちょっと痛いかもしれないけどこれ頑張ったら今日で終わるってよ、また来なきゃいけないの嫌でしょ？｣

美｢んーん、痛いもん…ｸﾞｽｯ…もうしないもん……ｸﾞｽｯ…(泣)｣

｢先生困ったなぁ…。
んー…じゃあ注射しようか。
注射したら痛くなくなるけど何回か来てもらわなきゃいけなくなっちゃう。
それに、ここの歯銀歯の被せ物になっちゃうよ、いい？｣




美奈ちゃんの歯を見る限りC2なんだけど、中で思ったより広がってて少しタービン当てただけで崩れてしまった。

神経ギリギリの所までカリエスが広がってたようで、カリエスを全て削ってみてその後少し置いて、痛みが出なかったら咬合面だけのカリエスの為CRで埋めれそう。

でも、そのためには麻酔をしてしまうと痛みが出るか分からないため、麻酔なしで削る必要がある。





美｢注射いやっ…ｸﾞｽｯ……銀歯も嫌なの…ｸﾞｽｯ…(泣)｣

｢そうだよね、じゃあ頑張れるかな？
美奈ちゃん、もうお姉ちゃんだもんねー。｣

永｢美奈ちゃん頑張ってくれたらすぐ終わるんだけどなー。｣

美｢…ｸﾞｽｯ……ほんとに…すぐ……ｸﾞｽｯ…？(泣)｣

｢うん、先生も頑張って早く終わらせるから。｣

美｢うぅ…ｸﾞｽｯ……じゃぁ……する…ｸﾞｽｯ……(泣)｣

永｢うわぁー、美奈ちゃん偉いっ！
じゃあお姉さんとお手て繋いで頑張ろうね^^
先生、すぐ終わらせてね？(笑)｣

｢はーい、頑張りまーす(笑)｣

☆→←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す