5 ページ6
校内が"異色の編入生"の存在によって大騒ぎを起していた
｢え、ちょっと何あの子！｣
｢やっべぇまじ美人…｣
｢きゃあっこっち見た！｣
｢ちょ、押すなって…！｣
突き刺さる視線
沸き上がる歓声や悲鳴に
ふうは眉間に皺を寄せ、ため息をつく
…ある意味監獄のようだ
白い、真っ白な監獄
その瞬間、昔自分のいた薄暗く寒い監獄が思い出される
くらりと目眩がした
あの時の記憶にも、この突き刺さる視線にも
…吐き気がする
放送がかかった
優しく、澄んだ声だ
その声に少し、救われたような心地になる
｢生徒の皆さんにお知らせします。
一時間目に緊急集会を行います。
直ちに体育館にお集まりください。｣
そう放送がかかった後、先程と同じくらいのどよめきと歓声がおこる
｢早く行かなきゃ！最前席が取られちゃう！｣
｢朝から生徒会メンバーが見られるなんて超ついてる！｣
何が起こっているのかいまいち理解出来ていないふうだったが、
もともと生徒の集まりの中心にいたので抜け出すことが出来ず、
必然的に流れに流されてしまう
体育館にはもうほとんどの生徒が揃っていた
その前のステージに座っているのは
5人の生徒
そしてステージに群がる女子たち
理解し難い異様な光景にふうは顔をしかめる
中心に座っていた一人の男が立ち上がり、マイクを持った
その行動だけで一段と歓声が高まる
ふうは人の流れに逆らうように出口に向かった
早くこの場を立ち去りたい
その一心で
男が口を開き、
｢新しく、生徒会のメンバーを一人、増やすことにした。｣
どよめきが起る
ふうは人混みをやっと抜け出し、体育館を出ていこうとした
その時
｢七瀬ふう。お前を"特別補佐"に任命する。｣
名前を呼ばれ、ピクリと反応したふうに一斉に視線が集まる
｢…後で生徒会室にくるように。解散。｣
ふうは振りかえり、その男を見たが生徒会メンバーはもう立ち上がり、体育館を出ていっていた
分けが分からず、ただ立ちすくんでいたふうだったが、何もかも振り払うように体育館を出て行った
…もちろん、生徒会室など行くつもりはない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼(プロフ) - jupi**さん» わぁぁっ！ありがとうございます！♪♪ (2015年4月30日 19時) (
レス) id: bde65050a4 (このIDを非表示/違反報告)
jupi** - 4まで読みました！文章がとても綺麗で純粋で…優しい気持ちになれますね（´ ｀*）先が楽しみです！ (2015年4月30日 17時) (レス) id: c13b622e53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 実さん» す、す、すいませんでしたぁっ！！(一同) (2015年4月15日 6時) (レス) id: bde65050a4 (このIDを非表示/違反報告)
実(プロフ) - はーい、雪ちゃんいじめた奴ら〜♪……………………覚悟はいいか(怒) (2015年4月14日 12時) (携帯から) (レス) id: e9c8e38941 (このIDを非表示/違反報告)
実(プロフ) - 雪ちゃんトドメさしてるから (2015年4月7日 18時) (携帯から) (レス) id: e9c8e38941 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼 | 作成日時：2015年2月13日 22時
