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｢見事に堕とされたな。｣
少し顔をしかめて困ったように笑い、都雅は立ち上がって空を見上げた
さっき出ていった彼女の悪戯っぽい笑顔を思い出す
本当はもうあの時から堕ちていたのだろう
初めて彼女のあの笑顔を見たときから
そして今日、儚く美しい歌声で完全に虜にされてしまったのだ
都雅がおもむろに空に手を広げ、風を掴むように握った
｢まるであいつみたいだな。｣
そう言ってカラカラと笑う都雅
手を伸ばして捕まえようとしてもするりと避けて掴ませない風はふうによく似ている
こちらがいくら迫っても動じない、
それでいて魅惑するかのように見つめてくる彼女の瞳を
そして今日、初めて見せた少し動揺した彼女の瞳を
"誰の歌か"と聞いたときの彼女が見せた一瞬の"影"を都雅は見逃さなかった
ぐるりと景色を見渡す
｢別にそこまで綺麗ってほどでもねーけどなぁ。｣
屋上から見える景色ならふうの学校から見える景色の方が断然綺麗なはずだ
しかし、ふうは此処の景色が偉く気に入ったようだった
歌うことを我慢出来なくなるくらいに
｢あそこのは綺麗すぎる、か。｣
ふうが聞き漏らしそうなくらい小さな声でポツリと呟いたのを思い出す
言葉少ない彼女が紡ぐ言葉は、いつも少しぼんやりしていて、何を考えているのか分からなかった
しかしそういった言葉を告げる彼女はいつも少し切なげで、目を離せなくなるのだ
だが、
｢まだ始まったばっかりだぜ、"お姫様"。｣
都雅は自信に満ちた笑みを浮かべて拳を握り締めた
ふうの花がほころんだんだような笑顔を思い返す
あいつらは知ってるだろうか、ふうがあんな風に笑うことを
あんな風に歌うことを
｢良いこと思いついた。｣
そう言ってニヤリと笑って都雅は駆け出すように屋上から出ていった
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蒼(プロフ) - jupi**さん» わぁぁっ！ありがとうございます！♪♪ (2015年4月30日 19時) (
レス) id: bde65050a4 (このIDを非表示/違反報告)
jupi** - 4まで読みました！文章がとても綺麗で純粋で…優しい気持ちになれますね（´ ｀*）先が楽しみです！ (2015年4月30日 17時) (レス) id: c13b622e53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - 実さん» す、す、すいませんでしたぁっ！！(一同) (2015年4月15日 6時) (レス) id: bde65050a4 (このIDを非表示/違反報告)
実(プロフ) - はーい、雪ちゃんいじめた奴ら〜♪……………………覚悟はいいか(怒) (2015年4月14日 12時) (携帯から) (レス) id: e9c8e38941 (このIDを非表示/違反報告)
実(プロフ) - 雪ちゃんトドメさしてるから (2015年4月7日 18時) (携帯から) (レス) id: e9c8e38941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2015年2月13日 22時
