カラット＜yb×hk＞

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…



お灸をすえる意味では、今夜がその ”まれな夜”に
あたるといい。



「ちょっと、いきなり挿れる気…っ？」
「昼間やったから入んだろ」



ひかるがかかとを浮かせているぶん、腰の高さが
ぴったり合っている。
ジーンズのジッパーだけ下ろし取り出したソレを
上の口より素直で物欲しそうなケツに突き立てた。



「あっ、んっ！」



ひかるは腰から上を倒して、手すりにしがみつき
窮屈そうなあえぎ声を静かな夜道に降らせている。



「あっ、んっ、、だめ、声出る…っ」



毛皮の塊を抱くと、冬でも蒸し暑い。
あまり大きく出し入れすると抜けそうになるから
奥までがっぷり沈めたまま、行き止まりの肉壁を
潰すようにぐりぐり、体重をかけた。



「あっ、しょれ気持ちいい…っ」
「……お、あれ下の階のリーマンじゃね？」



十数メートル先の角からスーツ姿が近づいてくる。
この春、単身赴任で引っ越してきた物腰柔らかな
サラリーマンだ。



「やぶストップっ、あっ…」
「……声我慢してたら大丈夫だって」
「あっ！ンっ…ふ、ぐっ…う…っ」



ひかるが両手で口を押さえ、あえぎ声がくぐもる。

お客さんが真下に迫っているのを見て、ひかるの
足に重ねるように右足を手すりに乗り上げ、深く
速く突いた。



「んぐ…っ、ぁ、だめぇ…っ」
「っ、！？」



サラリーマンが何の前触れなく、こっちに視線を
寄こし、咄嗟に乱暴にひかるを引きずり降ろした。
手すりの影に隠れて、まぁバレはしないだろうと
高を括っていた分、うるさい心臓と呼吸を整える。

ひかるは鼻まで毛皮に埋もれ、ぐったりしていた。



「ケガないか？」
「ん…」
「どっか痛い？」
「……んーん、」



ひかるはふるふると首を横に振った。
そうは言っても様子がおかしいと、火照った頬に
触れると、まな板の上の魚みたいにひかるの腰が
ビクついて、もしかしたら、と思う。



「……でちゃった、っ…」



どこまでも自由人に見えて、常識のない人間だと
レッテルを貼られるのは悔しいらしい。ひかるは
そういう顔で下唇を噛んでいた。



「見られて興奮したんだ？
お前も立派なヘンタイじゃん」
「……うるさいっ…」



涙目で拒絶されて、なぜだかちょっと寂しかった。
そんな顔すんなよ、と、乱れた襟足を撫でつけて
お前の言う通りだよ、と思い出したように添えた。



「芝居で食ってこうなんて奴は
みんなヘンタイだから」



短いキスをした。ひかるが、呆れたように笑う。



「これに懲りたら仕事の邪魔すんなよ？」
「おれ、付き合うの初めてだから浮かれてた……
、、ごめん」



…

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