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次の言葉(具体的な説明) を無言で求めるも、謎の男は餌を
待つ小動物みたいにワクワクした雰囲気で立っているだけ。

仕方なく、「どうやって?」と匙を投げた。





「ベランダからひょいっと、」
「……マジか」





男が丸めた両手を顎の前で動かし、飛びうつる真似をして
野良猫のジジ (某映画から名付けた)がベランダの手すりを
わが物顔で闊歩する姿が思い出された。

ベランダは隣とぴったりくっついているし、壁も柵も無い。
2階だからまぁ、落ちても死にはしないだろう。





「てか、ベランダの鍵閉めてたら入れねーじゃん」
「ん?だいじょぶですよ。いざという時のために
開けてあるんで」





久しぶりに出会った。"物語のある" 人種だ。
刺激的で、ハラハラして、どんな小説よりも面白いことが
書いてありそうな男に、アレルギー反応が出はじめていた。

創作する身としては強く惹かれる一方で、近づきすぎると
自分の中の平凡さが真っ赤に腫れて、ささくれ立ってくる。



・・ー要するに、つまらない嫉妬だ。



部屋も、俺の作家人生も、とっとと横切ってもらおう、と
しぶしぶ招き入れた。男は「お邪魔しまーす」と靴を脱ぐ。

裸足だった。





「わぁーお」





サーカスでも見ているかのような歓声を、気にしていない
フリでやり過ごし、文庫本や原稿、脱ぎっぱなしの洋服や
丸まった靴下をわざとザクザク、踏みつけて歩く。





「……泥棒に入られたの?」
「うっせ、」





すぐ後ろをついてくる気配が、床に置いてある物をよけて
ステップを踏む。"物語のある人種" はこんな時さえどこか
楽しげで羨ましい。





「ありがとう。ほいじゃバイバイっ」
「……さいなら、」





そう言って、手すりを身を乗りあげた男をしばらく眺めた。
こもこも、こもこも、と、茶色い毛の塊がうごめくだけで
ちっとも進まない間抜けな姿に一定の微笑ましさを覚える。

某動画サイトで "隙間に挟まった猫"を見ているような__。





「……手伝おうか?」
「だいじょぶっ、」





いよいよコートがずり上がって、骨ばった膝裏がのぞいた。
ぬっ、と白いふくらはぎ、もしかしてブリーフ派か?、と
疑いを持ちはじめる。
そこにあるはずの布地が見えないのだ。青とかチェックの。

あーもう、嘘だろ。勘弁してくれ。







「お前、っ、、なんでパンツ履いてねんだよっ…!?」







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しょこる(プロフ) - しろくまさん» ありがとうございます★ダイヤモンドのように硬くて誰にも壊せない絆を描けて満足です^^次のステージにすすんだ2人に幸あれ☆彡 (2020年6月17日 17時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 完結、おめでとうございます。キュンキュン、ハラハラ、不器用な2人のキラキラ光る恋に魅了されました。ダイヤモンドにも負けない輝きを放つ2人の人生に全力で拍手を送ります!素敵なお話をありがとうございました。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - しろくまさん» ダイヤモンドは綺麗なだけじゃなくて、外から簡単に傷つけることができない硬さも魅力ですからね*残り数ページ、ふたりのキラキラの行方を見届けてください(-人-) (2020年4月28日 14時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - か弱そうに見えて、その実ダイヤモンドのように硬質な輝きを放つひかちゃんに心奪われます。どうかこの二人がきらめく舞台を続けていけますように…!! (2020年4月5日 20時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - きょーかさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます*お話も佳境に入ってきたのでどんどん書き進めていきます^^ (2020年3月26日 18時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょこる | 作成日時:2019年7月27日 22時

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