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どこで手に入れたかは”企業秘密”らしい
チョコレート用のでっかいハートの型。



「…これは薮との思い出だし持っていくでしょ?
他に置いてけそうな物ない?」



ヤオトメはハートの型を手に取り
品定めするように眺めた。



「…これ、あげよっか?」



「……いや、普通にいらない」



得体の知れない気恥ずかしい沈黙が流れて
ヤオトメは人差し指でほっぺたをぽりぽりと引っ掻いた。



「…ご利益あるかも。彼氏……できるかも」



「…そ、そんな神頼みしなくても、彼氏ぐらいできるし…!
それに、それ使って上手くいったのは、相手が薮だったから!
誰にでも通用するわけじゃないから!」



私はヤオトメの手から奪ったハートをベッドに投げて
最後のダンボール箱にガムテープを貼った。
今までのより執拗に、しっかり、と。



「…まぁ、薮との思い出はこれから増えてくんだし
あれは置いて行っても大丈夫でしょ!」



ヤオトメが何か言いたそうに口をもごもごさせると


玄関から、明るいチャイムの音が響いた。


ー 3時ぴったり、だ。





ヤオトメは慌てて最後のダンボールを抱えて部屋を飛び出し
取り残された私は、トントン、と階段を降りる音を聞きながら
声に出さず”ありがとう”と、この部屋に別れを告げた。









「…ちょっと待って…!」


開きっぱなしの新居のドアの前で
先に荷物を入れ始めようか迷っていると
ヤオトメがすこぶる重たそうな紙袋を引きずって現れた。



中から出てきたのは、
10kgのお米と白いセーター。



「…母さんに聞いたんだけど
新居にはこれからの生活で無くなったら困る物を
1番に入れるといいんだってさ」



「…ゲン担ぎっつやつ?」



ヤオトメがよいしょ、とお米を抱きかかえ
セーターを肩にかけた。



「…食べ物と着る物に困らないようにって
お米とよく着る服を入れることが多いらしいから
一応、準備してきたんだよね……」



なかなか古風なことをするなぁと感心したものの
ヤオトメはいっこうに部屋に入ろうとせず
少しずつお米がずり落ちていく。



「…もう準備完璧なんだったら早く入ったら…?」


またヤオトメが口をもごもご、と動かして
得体の知れない気恥ずかしさが漂った。






「……え、ちょっと!…なんで!?」




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桜花(プロフ) - しょこるさん» それは嬉しい!ありがとうございます!^^お母さんはみんな強いですよね笑深読みしすぎました笑こちらこそよろしくお願いします! (2016年4月24日 23時) (レス) id: 3632683579 (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - 桜花さん» ボードの方にも感想くださって、すごく丁寧に読み込んでもらえてて嬉しいなーって思いましたよ!^^確かに将来的にお母さんになるから女性は強いってのもありますよね*私もそこまでは考えてなかったので、逆に考えさせられました^^これからもよろしくお願いします* (2016年4月24日 23時) (レス) id: 7e239da259 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - しょこるさん» お返事ありがとうございます!いえいえ!ありがとうございます!読み込めてますでしょうか…読み込目ていたら嬉しいですてですよね…子供を守らなきゃいけないからとかですかね…?はい!応援してます! (2016年4月23日 6時) (レス) id: 3632683579 (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - 桜花さん» はじめまして!^^ボードの方にもメッセージくださってありがとうございます!そちらも後でお返事しにいきますね*すごく深いとこまで読み込んでくださって嬉しいです。…やっぱり女の子ってどこか強いもんですよね笑 これからも応援よろしくお願いします^^ (2016年4月23日 2時) (レス) id: 7e239da259 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - はじめまして!読んでてあまりにも興奮?したので感想を送らせてもらいます!笑 最終的に立場?が1番上なのはやはり女の子で、でもそれに気づかず精一杯光くんを独占してる薮くんにとても笑いました!私はこのシリーズ?が大好きです!これからも頑張ってください! (2016年4月22日 22時) (レス) id: 3632683579 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょこる | 作成日時:2016年2月28日 23時

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