【HQ】MajiでKoiする5日間 Ⅲ 【月島蛍】 (ページ11)

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57秒君が隣にいることページ11

57秒経過

-月島 side-

澤「おーい、落ち着け月島ー」

Aが夕方になっても戻ってこない。

携帯を置いていったみたいで、連絡しようがない。

こんなの落ち着いていられるわけがないデショ。

「熱中症で倒れてたり…最悪の場合、誘拐とか……クソっ」

山「こんなに冷静じゃないツッキー、はじめてみました」

菅「月島にとってAちゃんは、マネであるのと同時に彼女でもあるもんな」

こうなったら練習を抜けさせてもらって、探しに行くしかないか。

「すみません、僕その辺少し探してきます」

部活用の自転車…はAが乗って行ったから…

そう思いながら駐輪場を抜けた時、ダッシュしてきた人にぶつかった。

チッ、ただのAの兄ちゃんか…

…Aの兄ちゃん!?

及「あ、いた!!聞いたぞメガネくん!!Aとは恋人の"ふり"をしてるだけなんだってね!!」

なんで烏野にAじゃなくて兄ちゃんの方がいるわけ?

というか、今恋人の"ふり"してるって…

「な、なんですか急に」

及「目が泳いでるねえ、図星かな?」

僕の顔を覗き込んで不敵に笑う。

『お兄ちゃん!!!』

Aがおぼつかない足取りで、自転車を押しながら駐輪場に入ってきた。

「A!」

脚がぷるぷるしてるけど、特に怪我をしているわけではなさそうだ。

…よかった、無事で。

『ごめん蛍…!お兄ちゃんが…っ!』

及「おおっと!付き合ってないならそれ以上Aちゃんに近づくなよっ!」

『もう!!お兄ちゃんは帰って!!!』

僕に向かって中指を立て高笑いをしながら校門を出ていった。

「どこまで行ってたんだよ!?心配したんだからね!?!」

『槻木澤まで…それより、ごめん蛍!!お兄ちゃんにー』

「君が無事で良かった…」

自転車を止め、Aを抱き上げる。

僕のキャラじゃないけど、お姫様抱っことかいうやつをする。

『!?蛍!?!』

「ちゃんと歩けないんデショ。僕が運んだ方が早そうだから」

『あ…そ、そうだよね…ありがとう!』

Aのことが心配だからに決まってる。

けどそれは言わないでおこう。

だって僕らはあくまで、偽物の恋人。

「ほらぁ～しっかり掴まってないと落としちゃうかもしれないよ?」

『蛍の高さから落ちたらシャレにならないから!』

わざと軽口を叩いて僕らは笑いながら体育館に戻る。

友達だろうと、偽物の恋人だろうと、

どんな形であれ、こうして君が隣にいることが大切だと思う。

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