【HQ】MajiでKoiする5日間 Ⅲ 【月島蛍】 (ページ2)

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48秒新たなはじまりページ2

48秒経過

-月島 side-

4月21日土曜日、午前練習。

烏野高校第二体育館。

澤「えー、今日から及川さんがマネージャーとして正式入部ということでーーー」

「「ようこそ烏野高校排球部へ!!!」」

『よろしくお願いします!』

……はい!?

ーーーーー

「ちょっと、どういうこと」

1対1でちゃんとAと話せたのは、部活が終わってからの帰り道だった。

『本当は"5日間"限定の仮入部のつもりだったんだけど、"無期限"になったから入っちゃった!』

ビックリした?と今日貰ったジャージの背中を見せて笑うA。

そのふにゃふにゃした笑顔にとことん弱い僕は何も言い返せない。

「まあ、君がいいなら好きにしなよ」

こんな言い方しか出来ないけど、正直なところAといられる時間が増えるのは嬉しい。

好きじゃない"ふり"をするしかなくて、素直に喜べないのが歯痒いケドね。

『うん、じゃあ好きにする!』

そう言って笑う君の笑顔に、胸がトクンと跳ねる。

本当は君にこの気持ちを伝えたいと思う。

けどーーー

最終日になるはずだった昨日が特別だっただけ。

昨日は繋げた手だって、理由なしではもう繋げない。

僕らのこの関係は、あくまで偽物の恋人。

だから僕らは人1人分の距離をあけて並んで歩く。

学校と部活では恋をしている"ふり"をして、

君の前では恋をしてない"ふり"をする。

嘘に嘘を重ねて、僕はAの隣にいられる。

そのためには、僕らのこの秘密を誰かに知られるわけにはいかない。

「ちゃんと隠し通せるの?」

『大丈夫!蛍こそ山口くんに気付かれてない?』

「あいつはこういうことに疎いから」

僕が言うのもなんだけど、あいつも恋愛に関しては経験がないはず。

絶対にバレない。

『蛍とこうやって一緒にいたいし、何としても隠さないとだね』

君の言葉に思わず頬が緩みそうになるのを必死で堪える。

「合宿とかでボロが出ないようにくれぐれも気をつけてよね」

『そうだよ、GW合宿!!音駒と練習試合楽しみ～!!』

途端にキラキラと目を輝かせて僕を見る。

出た、バレー馬鹿なA。

「そう?1日中むさ苦しい連中と顔つき合わして何が楽しいのさ」

『ちょっとー、わたしもいるんだけどー?』

Aがいる。

ただただめんどくさいと思ってた合宿も、Aがいるだけで、少し楽しみになった。

ーーーGW合宿まで、あと1週間と4日。

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