スパイスティー【黄・赤・緑】 (ページ23)

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21 笑顔ページ23

謙杜side

なんなんやろ

あの人、マジで

"美野アユレ"

俺の同期の子

入社式で見た様な見なかった様な

そのくらいの認識

なのに、プロジェクトで同じになったら

絶対わかるはずの資料の確認をしてきたり、連絡先を無理矢理交換されたり

ちょっとベタベタしすぎちゃう？

でも、

違うんだよ

違う

俺が好きなのは…

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初めてA先輩に会ったのは入社してからじゃない

高校生の時、俺はサッカー部に所属していた

あれは日差しが強かった夏の日、試合があった

水はちゃんと飲んでたはずなんだけどな笑

帰り道、熱中症で倒れかけ、

座り込んでしまった

ちょうど皆と分かれたとこで、道に俺一人だった

そんな時、

『わぁ…！大丈夫？ちょっと待ってね、』

と焦った様子で自動販売機に走っていく人がいた

ぼやけた目でしか見えなかったけど、

同い年？年上？

そのくらいの綺麗な女の子だった

『脇あげて？脇とか首とか冷やすと良いんだよ、』

言葉通りにすると首と脇がが

ヒヤッとして、体が涼しくなっていった

『ねぇ、君名前は？』

謙「け、謙杜です」

『そっかー、謙杜くん。熱中症だよね…』

『これ、飲んで？』

キャップが外されて渡されたのは

レモンのスポーツドリンク

『あぁ！ごめんごめん。飲めないよね、しんどいから。』

そう言って、スポーツドリンクを飲ませてくれた

正直いってこれ、あんまり好きじゃなかったけど

何故かとても美味しかった

熱中症の性かはたまた…

しばらくすると、みっちーが通って、俺はみっちーに送ってもらうことになった(みっちーとは高校の同級生)

『バイバイ、これからは気をつけてね！』

去る時に見せた、あの笑顔で俺の胸は見事に撃ち抜かれた

"一撃必殺"

"一目惚れ"

そんな言葉がよく似合う

俺はぼーっと立ちすくんでいた

それから大学に進学して、彼女もできた

でも、やっぱり胸のどこかにはあの笑顔があった

結局、彼女とはすぐに分かれてしまった