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「え゛っ」

「すぐ良くなるから大丈夫ですよ〜」

と言われながら担架に載せられて運ばれる。どうすればいいのか分からず、きゅっと手をお腹の上で組みながら大人しく小さくなっている。

仰向けのまま景色が流れていく。景色というか、蛍光灯のついた病院の天井たちが。病院独特の消毒のにおいが満ちている。不快ではない。

「やー、お姉さんいっぱい怪我してるね。大変そう。とりあえずアイスパックと…」


……一方、その頃。
青井は停めたヘリに乗りながら、休憩がてらタバコの煙を吐く。

「青ちゃーんやっほ〜、何してんの?」
「赤ちゃんじゃーん、今休憩中」


救急隊の知り合い―――赤兎がみともに声をかけられれば、窓から顔を出し、ふーっと煙を吐く。

「あれっ、そうなんだ。事件で、誰か警察連れてきたのかと思った。来ただけ?」
「あぁ、いや。なんか女の子が道に倒れてて。記憶喪失らしいし、ケガだらけだったからとりあえず病院に連れてきた」


そう言うと、がみともの仮面の奥の丸い目元が、さらに大きく丸くなった。

「えっ、何それ!大変。死にかけた人かなあ。心配だね」
「うーん…。今のところ怪しいそぶりはしてないけどねぇ…」


トン、とタバコの灰を落とす。

「ま、なんか隠してそうなんだけどね。名前も教えてくれないのは困るなぁ」
「本当に覚えてないのかもよ?」
「ま、それならそれでいいんだけどねえ」
「疑わないといけないんだ、警察って大変だねぇ」


ポケット灰皿を取り出し、タバコの吸い殻をしまう。

「もし名前、本当に覚えてなかったらどうするの?」
「んー…、名前つけることになるかな。呼びづらいし。ネルさんにでも相談する」
「おっ、いいね!楽しそう呼んでよ俺も」
「あはは、いいよおいで」


青井はずっと彼女を推し量っていた。実は、彼女が倒れていた場所はギャング―――MOZUの拠点のすぐ近く。そこに怪我だらけで、記憶もないときた。怪しくないわけがない。

普段の彼であれば、必要であればそもそもどんな人にも手を貸すのだ。倒れている人を助けないわけがない。がしかし、場所が場所である。だから、彼は彼女に手を貸さなかったし、ヘリヘ運ぶことをしなかった。

自分が警察にとって、重要な戦力であることを分かっているからだ。不用意に危険に身を投じることができない。


「何もないなら、それでいいんだけどね」


鬼のマスクの下の目を細めた。治療を終え、帰ってきた彼女を品定めするように。

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245(プロフ) - かとを74さん» コメントありがとうございます!モチベが倍になりました。とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします🥳 (3月28日 11時) (レス) @page23 id: 223c5bae8c (このIDを非表示/違反報告)
かとを74(プロフ) - 更新される度嬉しいです! (3月26日 17時) (レス) id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
245(プロフ) - とくさん» ありがとうございます…!修正いたしました🙇🙇今後ともよろしくお願いいたします☺️ (1月6日 17時) (レス) id: 223c5bae8c (このIDを非表示/違反報告)
とく - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみに待ってます…!!(ストリーマーグラセフだったのは前で、今はストリートグラフィティ・ロールプレイ、略してストグラのようですよ…!) (12月25日 22時) (レス) id: b931af8e9b (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ好きののあ。 - 8話でこのクオリティ。これは神作品の予感... ! (12月20日 11時) (レス) @page8 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:245 | 作成日時:2023年12月7日 3時

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